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きれいなひと  作者: 宵ノ雪
第一章  孤独
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雨はやまない(有栖視点)

「やっほう」


「つき!いらっしゃい!」


それから私たちはよく会うようになった。


「つき、今日は何をする?」


つきはその日によってずいぶんテンションが違った。


落ち込んで泣きかけなときもあったし、にこにこうれしそうなこともあった。


その日によって変えるのは大変だったけど、つきがいてくれるというのは励みになった。


「かくれんぼの続きやろう!」


「わかった」


二人で日が暮れても飽きずにいつまでも遊んだ。


いつも先に帰るのはつきだった。


つきの姉が迎えに来るから、私はいつもその姿を見送った。


そしてさらにしばらくして真っ暗になってから公園から帰った。


家に帰ってもだれもいない。


ばあばはいつもどこかに行って忙しそうにしているから、家ではほとんど一人。


「あしたはなにをしようかな」


おやつを買いに行こうか、道に花が咲いていたからそれをもっていってあげようか。


わくわくしながら、眠りについた。



あいにくの曇り空だったけど、いつものように公園に行ってつきをまつ。


予報では夜から雨らしい。


「あ、ひろこちゃん」


いつもよりつきが来るのが遅い気がするけど、どうしたのかな。


そう思ってつきのほうを見た。


「いらっしゃい。なにする?」


今日はなんとなく、つきの元気のない日な気がする。


「つき?」


反応がないつきをのぞきこむ。


「ひろこちゃん、ごめん」


いきなりあやまってきた。


「どうしたの?」


「とうさまとかあさまが、遊びに行くなっていったの。だから、もうこれないの」


ぎゅっと下を向いたままのつきの声はなきそうだった。


「いっしょにきてるの。だから、すぐかえらないと。

ごめんね」


慰めようとすると、すっとよけてしまった。


「つき、」


「ひろこちゃん、じゃあね」


つきは、振り返らずに角を曲がってしまった。


ぼんやりしていると、ぽつっと頬に水滴がついた。


しばらくそのまま立っていると、さあさあとうっとうしい雨がふってきた。


雨は、夜になってもやむことはなかった。

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