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きれいなひと  作者: 宵ノ雪
第一章  孤独
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己が望んだこと(有栖視点)

昼休みに踊り場に行かなくなってすぐ、席替えがあった。


大きな誤算だった。


確かにだいぶ最初のころに担任がテスト終わりに席替えをすると言っていたような気がする。


今までは、配布物を配るときなどに蒼井を眺めることができたのに、席替えのせいでできなくなってしまった。


ちょっと見つめているとはにかみながら笑ってくるのがとても好きだった。


その日の昼に一緒にご飯を食べていると、必ず蒼井のほうから聞いてきた。


『さっきなにか用があったの?』


『いや、ないが。

月はみつめられるのが嫌なのか?』


『有栖さんなら、嫌じゃないよ』


『ならよかった』


決して蒼井が私を拒否しないとわかっていたからこそできたやり取りだ。


その権利を私から手放してしまったのだから、いまさら悲しむべきではない。


だから、わかっているから、この胸の痛みは気のせいだ。


わかってはいるのに、次の日もその次の日も無意識のうちに本屋に向かってしまっていた。


けれど決心がつかず、毎回引き返してしまっていた。


迷惑だと思われているのなら、行くべきではないとわかっているのに。


それでも、本屋に行けば蒼井がいると思うだけで救いになった。


私には、それぐらいしかすがれるものがなかった。

みなさま雨は大丈夫でしょうか。


小職は1時間で帰れるはずなのに遅延のあらしで2時間半かかりました

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