表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
きれいなひと  作者: 宵ノ雪
第一章  孤独
PR
13/23

いつもどおり

それから、蒼井と有栖が言葉を交わすことはなくなった。


ちょうど席替えがあり席がかなり遠くになってしまったのも後押しして、二人の交流はゼロに等しくなった。


ごくまれに有栖と目が合っても、すぐにそらされてしまう。


蒼井はすこしの息苦しさを感じつつ、それでも今まで通りに過ごした。


学校に行き、昼は一人で食べ、放課後に本屋にアルバイトに行き、帰る。


学校にいる間は誰ともしゃべらない。


それがいつも通りで、なにも困ることはなかった。


「最近、あの子来なくなったね」


「はい。でも、来るのは彼女の自由なので」


有栖はあくまでただの本屋の客であるということを意識して、蒼井はおばあさんに返事をする。


「そうかい。蒼井ちゃんは、それでもいいのかい?」


蒼井はそう言われてしばらく黙った。


そして、もろもろの葛藤を丸め込んでうなずいた。


「はい」


おばあさんはちょっと考えてから外に出た。


「もう閉めようか。しばらくのんびりしていきな」


「どうしてですか?」


おばあさんは答えずにガラガラとシャッターを閉じてしまった。


「ほら、ここならだれにも見つからない。

話してみんさい。蒼井ちゃんの話を聞くさかい」


「なにか、話すことがありますか?」


おばあさんは蒼井の正面に座ってお茶を取り出した。


「こうしてのんびり話せる機会なんてなかったろ。

しばらくこのおばあさんの話を聞いとくれ」


おばあさんはそう言ってとりとめのない話をした。


「それは大変でしたね」


「そうそう、本当にな」


おばあさんは何も問い詰めてくる気はないように見えた。


『蒼井ちゃん。あたしゃ蒼井ちゃんが何を抱えてるかなんてわからんよ。

ほいでも、ここにおる間は守ってやるさかい、安心し』


おばあさんは、蒼井をバイトとして雇ったときそう約束した。


そして、それは蒼井がおばあさんに打ち明けたいと思う理由になった。


「おばあさん、あの、私、」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ