心に決めて
古めかしい扉をノックする
開かずの間だと だれもが見捨てた
ホコリをかぶせたままの
時間の歯車 君に応えるように
ギシギシと歯ぎしりが聴こえだした
僕の胸のなかでギシギシと
君の手は 僕のまえで
君の瞳は 僕の目を見て
君の声をいまでも覚えているよ
ひとり立つまで ひとり立つまでと
あの涼しい眼差し 忘れ得ぬ
濁りのない瞳の青葉 とわに茂らせて
思い出すよ 君のつづる詩には
いまよりも はるか未来に答えがある
水の流れのようにどこまでも
火を起こすように明かりを絶やさず
むずかしいこと なにも知らなくとも
君が教えてくれる ずっと最後まで
吸い込むように誘われて
包み込むような安堵をおぼえて
心は体を色だと知って
色は世界の形を明かした
形は人の心を変えた
一人ひとりの見る目はちがう
異なる世界は 見る目が決めている
誰かの見る目を変えるには
自分の心を決めていく
変革の時は 今ここにと
挑戦の詩は ここにありと
決めた思いが願いを増して
増した願いは祈りをよぶ
祈れば 心は差異を説く
差異が人の気持ちを凍らせる
冬に雪が降るように
心に冷たい雨も降る
春の兆し 心に決めて
今に見よ 今に見よと
種を大樹にするまでは
くじけぬ心の水まきを
地道 地道にくり返せ
僕が描いてた どんな未来図より
君の呈する 一番星のきらめき
その手のなかで温めてきたもの
いのちが入った僕のことばに置き換えて
つないでいくよ つないでいけるさ
古めかしい扉に埋もれていた 時間の歯車
今日もまた 明日もまた 回していく
月々 日々に速くなり 強くなるために
やがて僕は 朗らかに 痛快に
ひとり またひとり
こごえる孤独は打ち破れるよと
三倍 五倍の涙をこえて
春のすそのに 飛び立って
みにくいアヒルの子の僕は
なんに変わるか 決めたのさ




