45/99
赤い紐
薬指にはきつく結んだ紐の跡がある
いつか結んでもらったのは赤い紐だった
遠い日の
固い約束
なにを交わしたものなのか
進むための誓いなのか
守るための戒めなのか
だれの顔もそこに浮かばないままで
幼いメモリー
ふたりで抱き合っていた
恐怖にうち震えながら
母が聴かせた唄がよみがえると
記憶は薄れていった
ミルク色の朝が
記憶を訪ねてくる
プリミティブな回想がつづき
君の声がぼくを呼ぶたび
どんな心の傷なんどでも
癒してくれている
再会の約束
そう信じたい
ありがとうの声
そう信じたい
この指に結んであったもの
ぼくが君に譲ったのかなと
。。。
読みに来てくれてありがとうございます。




