23/99
ベルの音で
街灯りキラキラ過ぎていくのは
しあわせのベルを鳴らしにいくから
雨が降っていても傘をたたんでおいで
その扉をひらけばしあわせのベルが響く
迎えてくれたのは蒸気と記憶にある匂い
ここまでおいで誘う声はまぼろしのように
深い森の中に残された生臭い野生の営みと
雪解けの川辺ゆく野獣の牙とはげしく争う
泣きながら囚われて引きずられて傷つき
もがいて抜け出しても致命の末路か
つぎのベルを鳴らすころには妄想から放たれる
味わい漂う配膳にとろける芳醇が鼻先をつつく
ただの夜食のお出かけのひと時も空想にとらわれて
良からぬ妄想だつづきは枕をだいてやれ
都会の高級店まれで行きつけではないけど
店の扉は客をもてなすしあわせのベル
腹を満たして帰るだけの旅人の手習い
食べに行っても空腹ゲージが満たされて
待ち時間のろくでもない風景は現実逃避
お腹に入った料理の名を覚えられない呪いは解けず
しあわせの扉のベルで今夜こそ変われる気がしたのに
読みに来てくれてありがとうございます。




