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春雷の鳴く頃に
眠れない夜いくつ数えたの
眠れないひとがそれを数えることはない
いつかは疲れて眠れるときがある
それを知らないはずなどある分けもない
気づいているのさ
分かっているのさ
細かい指摘いちいちされなくても
つらい日常が多くて
つぶやきたいこと増えて
だれも答えを持っていなくて
やりきれない時間どこにも消せやしない
人の世に説かれた仮初の詩
どこかで見つけた鏡の中の時間旅行
仮面をつけたように知らないひとになり
気取ってみえても
お道化てみえても
今この瞬間だけでも
嫌なことぜんぶ忘れられるなら
迷わずためらわず
まだ体に残った使えるエネルギー
ありったけ吐き出して
無我でその闇を突き抜けて
眠れぬ夜の浅い夢
この冬でいっきに終わりにして
春雷の鳴く頃には
あくびの神になる
来夏はおもてに駆け出して
夜遊びの数でスケジュール帳を
真っ赤に染めてやるのさ
読みに来てくれてありがとうございます。




