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 注文して少しすると料理が運ばれてきた。ゲームだから料理の完成が早い。

 早速コムギは勢いよくタルトを食べ始める。

 そんなコムギを微笑ましく眺めながら俺は同じく運ばれてきたエビフライにパクついた。

 ころもがさくさくでエビはプリプリ。めちゃくちゃ美味しい。そして、やはりエビフライにはタルタルソースだな。

 ゲームの中だけど久しぶりにエビフライを食べれて満足だ。


 行儀が悪いかもしれないが食事をしながら目の前に浮かぶウインドウを眺めた。


 ―――――――――――――――


 名前:セイ

 種族:人間 Lv10

 ジョブ:刀士 Lv10

 サブジョブ:風の魔術師 Lv6

 召喚士 Lv6


 HP:123

 MP:83


 STR:16

 ATK:27

 DEF:13

 INT:17

 MGR:12

 AGI:27

 DEX:16

 LUK:15


 ―――――――――――――――


 なんと負けたにも関わらず一気に5レベルも上がっていた。どれだけ強敵だったんだよ。


 ステータス値にはいつも通り防御を捨ててポイントを割り振った。

 刀士がレベル10になったことで新しく【抜刀術】のスキルを覚えた。これは納刀した状態でスキルを使用すると1.5の速さでクリティカル攻撃ができるというスキルだ。なかなかいいスキルだと思う。

 風魔法では【ウインドアロー】という風の矢を模した魔法を覚えた。

 召喚士は特になかったな。召喚できる数も増えてなかったし。


 レベルが上がったことで獲得した現在のスキルポイントは21。新しいスキルを選んでいないので結構ポイントが貯まってきた。

 そこで新しく【縮地】【気配察知】【軽業】を取得した。これは刀士のジョブで取得できるスキルで戦士系や斥候系のジョブでも取得できる。

 それぞれ2ポイントで残り15ポイント。まだ余裕があるな。


 ステータスとスキルの確認はこれくらいにして、次は報酬を見ていこう。

 まずはドロップアイテムから。


【鬼切丸】

 STR+140 ATK+150

 鬼神の封印の為に造られた大太刀。長年の封印の為本来の力が失われている。

『成長武器』『専用武器』

 スキル 【???】


【鬼呪の籠手】

 STR+150 DEF+180

 鬼の瘴気から生まれた籠手。鬼の因子を持たない者が持つと呪いを付与する。

『専用武器』

 スキル【カースアタック】


「わーお。」


 これ、おかしくね?プラスされるステータス値が桁ひとつ間違ってる気がする。しかもこれで力が失われている?成長武器ってことはまだ強くなるってことか?


 ・・・俺、頑張って良かった。


 まあそれはともかく鬼切丸っていうのは源家の実際にある刀だったはずだ。確か正式には鬼切安綱という名前だ。

 ユニークモンスターが鬼神だから鬼繋がりで鬼切丸なのだろうか?よく分からないけど。


「強い武器は欲しいと思ってたからこれはラッキーだったな。」


 成長するなら長いことこの武器は使えるだろう。性能としても破格のものだし何時間も頑張った甲斐があったというものだ。

 こういったドロップアイテムの武器は装備制限がないから助かる。せっかくいい武器をゲットできたのに装備できないのは悲しいからな。


 鬼切丸と同じく籠手もなかなか高性能な防具だ。体の防具は初心者のものだから籠手だけ豪華でアンバランスだけども。俺の紙だった防御が一気に上がってしまった。

 籠手のスキルの【カースアタック】は攻撃時に確率で呪いを与えることができる。絶対のものではないがなかなかに強力だ。


「最後はやっぱり称号だな。」


 なかなか気になる称号を獲得していたみたいだから最後にとっておいた。称号には効果がついているものが多いからな。ちょっと期待している。


 称号『鬼神の因子』

 体を乗っ取ろうとする鬼神に抗いねじ伏せ己の力として取り込んだ者。

 効果:全てのステータス+20

 ユニークジョブ【夜叉】の取得可能


 称号『???の興味』

 何かを成し遂げ???から興味を持たれた者。

 効果:LUK+100

『???』の挑戦権


 な、なんか色々凄いことになってる気がする。

『???の興味』はよく分からないけど、『鬼神の因子』の全ステータス+20はヤバいと思う。しかもユニークジョブに就職できるようになったらしい。

 下の方に『YES/NO』の表示が出ている。でもまずは後回しにして先に確認を済ませよう。


 というかその前に俺、乗っ取られるところだったの?生け贄ってそういうこと?

 もしかしたら達成条件って鬼神の乗っ取られないことだったのかもしれないな。なんで乗っ取られなかったのかは分からないけど。


 この称号の効果に武器のプラスされるステータス値を合わせると初心者とは思えないほどのステータスになるんじゃないか?他の人たちのステータスは分からないからなんとも言えないけど。


 鬼神がヤバかったからか報酬もそれに準じたものになっていた。正直ゲームバランスが崩れないか心配になるくらいだったが、このゲームでは結構そういうのがあるらしい。だから隠れ要素を血眼になって探すプレーヤーは多い。

 1ヶ月経って未だに発見されていなかったユニーククエストを見つけられた俺は運が良かったのだろう。クリアできればの話だが。


 そうこうしているうちにいつの間にかエビフライ定食を食べ終えていた。報酬など気になって確認していたがもっと味わって食べれば良かったかなと今さらながら思った。まあまた食べにこよう。

 コムギも満足したのかとてもご機嫌の様子だ。頑張ってくれたからこれくらいはしないとな。


 お金を支払って店を出る。


「さて。十分に休憩はできたから新しいスキルを試しに行くか。それとも今日のところはのんびり過ごすか。」


 頭の上にコムギを乗せながらぶらぶらと街を歩く。こうしているとここがゲームの世界だと忘れてしまいそうになるな。


 あ、そういえば新しいジョブを取得しようと思っていたんだった。

 せっかくユニークジョブを見つけることができたんだし取得しない手はない。そのためにいくつか空けておいたからな。まあ、こんなに早く見つかるとは思わなかったが。


 というわけで画面を表示し称号のところから夜叉のジョブ取得のYESを押す。わざわざ神殿に行かなくていいのは楽だな。


 《ユニークジョブ【夜叉】を取得しました。》


 これでよし。ステータス画面を見るとサブジョブのところに新しく夜叉が追加されていた。

 どんなジョブかはフィールドで確認しておかないとな。


 この後はどうするか。


 そういえば俺の防具は籠手以外は初心者装備のままだったな。そろそろ買い替えてもいいかもしれない。ステータスを上げるためにアクセサリーも欲しいしお金がいくらあっても足りないくらいだ。


 となればやっぱり金を稼ぐ必要があるよな。少しずつ貯まってきたとはいえ、オーダーメイドで性能のいいものをと思えばそれでも足りないのは事実。結局は狩りに行くことになるのか。


「コムギ。俺は狩りに行くけどお前が疲れてるなら休んでてもいいぞ。」


「コンコンコン。」


 勢いよく首を横にふるコムギはどうやら狩りに着いてくるつもりのようだ。

 コムギもやる気になっているようだし二人でフィールドに向かうことにする。向かうのは先ほどの東の森だ。

 もう鬼神のクエストは終わったからあの俺を騙したエリックには会わないかもしれないが、もし今度会ったらお礼をしないとな。色んな意味で。


 イベントだから仕方ないって?

 それとこれとは別なんだ。


 そんなことを考えながら到着した東の森。

 今度はあまり深いところに行かないように気をつけよう。


 俺は新しく手に入れ装備した鬼切丸を手に森へと入る。もちろん籠手も装備してある。

 手首から先だけ凄いことになってるが気にしない。


 早速遭遇したのは最初のときにも会った狼のモンスター5匹。

 前来たときよりかなり強くなったからな。あの鬼神のおかげというのは気にくわないが。

 前よりは楽に倒せるだろうと思って大太刀をふるうと首からスパッと切れた。


「は?」


 一撃で倒したことに驚き少しフリーズしてしまう。しかも首が・・・


「コン!」


「あ、ヤバっ。」


 コムギのおかげで我に戻った俺は目の前に迫ってきていた狼の顎を蹴りあげて後ろへと下がる。


「サンキューコムギ。」


「コン!」


 危ない危ない。コムギがいなかったら噛みつかれていたところだった。ただでさえ紙装甲なのに。


 気持ちを引き締めて戦闘に集中する。

 刀で攻撃すると面白いくらいにスパスパと倒せてしまったのであっという間に5匹のモンスターは光となって消えた。

 ドロップアイテムは自動でインベントリに入るので楽で助かる。


 やはり称号や装備の補正は凄いようで驚くほど簡単にモンスターを倒すことができたのだった。

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