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ごちそうさまでした!
《part12》
猟銃を下ろした老人を加えて、三人がかりで河童肉を食べきったのは、山の端に太陽がすっかり隠れた頃だった。少年はその間ずっと遠巻きに一同を眺めていたが、嫌がる人に無理強いしてはどんな絶品も無駄というもの。彼のことは置き去りにして、三人はシメのうどんを各々皿へと取っていく。
「お前さんら、いったい何者じゃね」
ぽつりと、老人が呟いた。二組の視線が彼へと注がれる。
「あれか、退魔師ちゅうやつじゃか。悪さした妖怪さ、懲らしめとるんかや」
「んー? 何それ? そんなのじゃないよ」
もちーっと人魂を伸ばしていたペコが、もにもに口を動かしながら答える。
「あたしたち、美味しいものが食べたいの。それだけ!」
「……まぁ、そういうことです」
視線を逸らしたまま続けたかまどに、老人が細い目を更に細めて頷いた。
「あぁ、さよけ。旨ぇもんはえぇ。婆様も飯が旨かったじゃよ」
再び遠くを見始めた老人をよそに、ペコが皿を傾けて汁をかき込む。彼女はぷはっと顔を上げて、山々に轟くような声でその一言を告げたのだった。
「――ごちそうさまでしたっ!」
次回「スカイフィッシュ」、極上のB級映画、お楽しみに!




