報告会と平民街へのワクワク
それぞれの訪問先から帰ってきた4人は、離宮で一緒に夕食を囲んでいた。食事が一段落したところで、今日の成果についての報告会が始まる。
「じゃあ、まず私から報告するわね!」
美咲がパッと表情を輝かせて身を乗り出した。
「ルークス侯爵家に行ったんだけど……自然派化粧品の開発、ジュリアン様が全面的に協力してくれることになったの! 侯爵家の薬草園と調合室、それに腕利きの職人さんたちも全面支援してくれるって!」
「わ~っ、美咲さんすごいです! これで自然派コスメが作れますね! 私も早く使ってみたいな~!」
凛が目を輝かせて拍手を送ると、続いて葵がふっと柔らかく微笑みながら口を開いた。
「私の方も、なんとかうまくいきそうだわ。凛ちゃんに描いてもらったブラとショーツがお揃いのイラストを見せたら、レオン様たち、すごく驚いちゃって。……『向こうの世界ではこれくらい普通ですよ』って伝えたら、三人とも顔を真っ赤にして固まってたのよ」
「ふふっ、可愛いわね。でも良かった! これで私たちの下着問題も解決に向かいそうだわ」
百合が安心したようにほほ笑むと、葵が「百合ちゃんの方はどうだったの?」と尋ねた。
「うん、王宮の厨房で色々と食材を見せてもらったんだけど……やっぱり和食に必要な味噌や醤油はなかったの。それと、何より『お米』がなかったわ」
「「「あ~~っ、お米!!」」」
全員から同時に絶望の声が上がった。
「お米がないの、本当に一番つらいよね……!」
「うう、ないと思うと余計に食べたくなる……! 私、おにぎりが食べたい!」
「私はカツ丼が食べたい~~!」
食べ慣れた日本の味を思い出して悶絶する4人だったが、百合はニンマリと笑って希望の光を口にした。
「あ、でもね! 料理長さんが『変わった食材なら、城下の平民街にある珍しいお店に置いてあるかもしれない』って教えてくれたの。だから今度、探しに行ってみようと思って!」
「あ~っ! それ、私も行きたい!」
葵が勢いよく手を挙げ、何かをひらめいたように目を丸くした。
「ねえ……もしかして平民街の商店に行ったら、ドレス以外の普通の洋服も売ってるんじゃないかしら? 正直、家の中でまでずっとドレスを着てるの、もう嫌なのよ! 苦しいし、動きづらいし……」
「わかる! 私も家の中ではジャージとかスウェットで楽に過ごしたいもん!」
凛も大きく頷いて賛同する。それを聞いた美咲が、楽しそうに提案した。
「それならさ、みんなで一緒に平民街に行ってみない? 4人で街を歩くのって、この世界に来てから初めてじゃない!」
「わ~、いいね! すごく楽しそう!」
「カフェとかもあるのかな? もしあったらみんなで入ってみようよ!」
そうね。でもこの件はレオンハルト殿下に報告してからにしましょ。
ドレスからの解放と未知の街歩き、そしてもしかしたらお米や調味料に出会えるかもしれないという期待に、4人の胸は弾むのだった。




