理想の離宮と、私たちの秘密基地
凛の悩みが解決し、本来の明るさを取り戻した4人は、再び離宮の設計図を囲んで話し合いを再開した。
建築責任者の官吏が期待に満ちた眼差しで見守る中、まずは百合が手を挙げた。
「私、みんなと一緒にエクササイズができる広めのお部屋と、体に優しいお菓子や料理を研究できる『専用のキッチン』が欲しいです!」
「承知いたしました、百合様! 極上の調理設備を備えた厨房をご用意いたします!」
官吏が素早くメモを取ると、続いて美咲と葵、凛も次々と希望を口にした。
「それぞれのプライベートな個室が4つと、4人で気兼ねなく集まって寛げる大きなリビングが絶対に欲しいわね」
美咲の提案に全員が大きく頷く。
「それから美咲さん、美容室みたいな部屋も欲しいんじゃない?」
葵の言葉に美咲は「そう! よく分かってるじゃない!」と嬉しそうに微笑んだ。
「私、コスメや美容雑貨をたくさん並べて、みんなのお手入れやヘアメイクができる専門の道具部屋が欲しいわ」
「じゃあ私は、仕立てや縫製ができる服飾部屋ね! ミシンや型紙、生地をたくさん置いて作業できる専用の工房みたいな部屋を希望します!」
「わあ……! すごい、夢がどんどん広がっていくね!」
凛が目を輝かせると、官吏は深く頭を下げた。
「皆様の素晴らしいアイデア、感服いたしました! 個室4部屋、大リビング、エクササイズ&専用キッチン、ヘアメイクルーム、服飾工房……皆様が快適に過ごせる素晴らしい離宮に仕上げてみせます!」
離宮に作られる自分たちだけの『秘密基地』のような空間。
街での悔しい思い出や課題を糧にして、4人の新しい生活に向けたプロジェクトが、いよいよ本格的に動き始めるのだった。




