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小宮探偵事務所の日常  作者: 蒼 小夜
第2話 さがしもの
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13/40

6

第二話エピローグ。短くてすみません。


それから、3日後。


小宮探偵事務所の玄関の呼び鈴が鳴った。


篠原がドアを開けると、そこには真由美と紗奈が立っていた。


「こんにちは。」


紗奈の手には、キャリーケース。

中には首輪をしたネネが、大人しく座っている。


「ネネちゃん!」


まひろが顔をほころばせると、ネネは眠たそうに目を細めた。


応接スペースに案内された真由美は、

「今日は、お礼を言いたくて。」

と紙袋の中から箱を取り出した。


「お心遣いありがとうございます。」

まひろが受け取りながら頭を下げる。


その箱を篠原が給湯室へ持っていき、帰りに麦茶のグラスを4つ持って帰ってきた。



四人はソファに腰掛けた。


しばらくネネの話に花が咲いたあと、真由美が少し表情を引き締めた。


「実は……お願いがあるんです。」


まひろと篠原は顔を見合わせる。


「どんなことでしょう?」


まひろが先を促すと、真由美と紗奈が小さく頷きあった。


「神社にいた母猫と子猫なんですが……あの子たちも、保護したいんです。」

「ネネちゃんを、お母さんと一緒にいさせてあげたいんです。」

真由美が頭を下げた。

「ネネの、家族を探してきてください。」


まひろは嬉しそうに笑った。

「承知しました。」


篠原も口元を緩める。

「契約更新、ですね。」


「はい、お願いします。」


真由美が頷く。


紗奈は、キャリーケースのネネを覗き込んで、「ネネちゃん、よかったね!」と話しかけていた。


◇


それから2週間後!


まひろが、別件の調査報告書をまとめている時、スマートフォンが、小さく震えた。


「……真由美さんからだ。」


メッセージを開く。


『その節は、ありがとうございました。みんな、元気です。』


簡潔な文章には一本の動画が添えられていた。


市川家のリビングで遊ぶ二匹の三毛の子猫。


一匹は赤い首輪、もう一匹はお揃いのピンクの首輪。

二匹は、同じおもちゃを取り合っていたかと思うと、次の瞬間にはお互いのしっぽを追いかけて遊んでいる。


少し離れたところでは、茶色の首輪をした母猫が子猫たちを見守るように寝そべっている。


その向こうから、紗奈の笑い声が聞こえた。



まひろが思わず笑う。


「良かった……。」


そこへ、篠原がコーヒーを持ってきた。


「何を見てるんですか?」


まひろが少しスマートフォンを持ち上げて、首だけで振り返る。


「真由美さんから。」


「見せてもらってもいいですか?」

篠原が後ろからまひろの肩越しに画面をのぞき込む。


「もちろん。」


二人は小さな画面の中の三匹を見つめた。

その表情は柔らかい。


窓の外では、商店街を吹き抜ける風が、風鈴を小さく鳴らしていた。


お読みいただきありがとうございます。

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