第93回「成長する魔王」
※本作は「小説家になろう」と「カクヨム」に重複投稿しています。
レインは、神ナリの剣へのチャージを続けていた。
「もう少し……!」
しかし、その間にも紅貝の魔王は止まらない。
ふわりと空中へ浮かび上がっては、次々と田んぼを移動していく。そして、新しい田んぼへ到着するたびに、クリムゾンシェルを撒いていく。
「……まただ」
アイリスが、その様子を見つめる。
レインはチャージを続ける。
だが――。
このままでは、紅貝の魔王がどんどん強くなってしまう。
その時だった――。
ナイトがアイリスへ振り返った。
「アイリス!」
「なに?」
「強化、頼む!」
アイリスは、すぐに女神の杖を構えた。
「分かった!」
杖から光が放たれる。
「身体強化!」
光がナイトの身体を包み込んだ。
ナイトは拳を握る。
「よし!」
そして、女神のカメラを構え直した。
「しばらく俺が、注意を引く!」
ナイトは紅貝の魔王へ向かって走り出した。
「こっちだ!」
ガッ!
女神のカメラを、紅貝の魔王へ叩きつける。
「……」
紅貝の魔王が、ゆっくりとナイトを見る。
「そうそう! 俺と遊んでくれよ!」
ナイトは不敵に笑った。
「グギャー!」
紅貝の魔王が吠える。
そして――。
一気に襲いかかった。
ガンッ!
「うおっ!」
鋭い爪が迫る。
ナイトは女神のカメラを盾のように構えた。
ガンッ!
ガガッ!
重い衝撃が、何度も響く。
「まだまだ!」
ナイトは必死に攻撃を受け流していく。
女神のカメラが、紅貝の魔王の爪を弾く。その激しい攻防は、すぐに視聴者へも届いていた。
『こわー!』
『ナイトさんファイト!』
『迫力の魔王どアップ!』
『カメラで魔王の攻撃防いでる!』
『ナイトさん、すごい!』
ナイトは一歩も引かない。
「くっ……!」
ガンッ!
ガガッ!
何度も攻撃を受け止める。
しかし――。
突然、紅貝の魔王が、ナイトから離れた。
ナイトが目を丸くする。
紅貝の魔王はナイトを無視して、田んぼへ向かっていく。
「おい、そっちかよ!」
紅貝の魔王は田んぼへ降りる。
そして――。
クリムゾンシェルへ手を伸ばした。
ミルミルミル……。
再び、クリムゾンシェルからエネルギーが吸い上げられていく。
「グギャー!」
紅貝の魔王が雄叫びを上げる。
その身体が――さらに赤く染まっていく。
その直後だった――ドンッ!
紅貝の魔王が、ナイトへ向かって突進した。
「なっ!」
ガガッ!
「ぐっ!」
ナイトの身体が押し込まれる。
先ほどとは――明らかに違う。
「なんだよっ!」
ガンッ!
女神のカメラで受け止める。
ナイトの足が、地面を滑った。
「パワーアップってやつか……さっきより、明らかに強くなってるぞ!」
アイリスが叫ぶ。
「さっき吸収した直後から、力が増してるわ!」
ナイトは紅貝の魔王を見据えた。
そして――。
その恐ろしい能力に気づく。
紅貝の魔王は、再び田んぼへ視線を向ける。
ナイトの表情が険しくなる。
「ほっとくと……大災害になる魔王か!」
「グオオオオオッ!」
紅貝の魔王が咆哮する。
その声が――。
コメライス村の田んぼに、再び響き渡った。
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この作品は不定期で投稿してます。
※本作の作中に挿入されている画像は、AI生成によるイメージイラストです。




