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魔王予報のお時間です〜午前中は魔王が暴れるでしょう。午後には討伐され絶好のスローライフ日和になるでしょう〜  作者: さば味リン
3章 転

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第92回「攻撃の意思はない」

※本作は「小説家になろう」と「カクヨム」に重複投稿しています。

紅貝の魔王は、みるみる真っ赤に染まっていく。その身体から、ただならぬ力が感じられた。


レインは神ナリの剣を構える。

「なんか悪さしてるけど、さっさと倒す!」

神ナリの剣へ、魔力を集め始める。


「そうよっ!」

アイリスも女神の杖を構えた。


ナイトも女神のカメラをしっかりと握る。

「頼むぞ!」

「任せてっ!」

レインは、さらにチャージを急ぐ。


しかし――。

紅貝の魔王は、こちらを見ている。

……攻撃してくる様子はない。


「……」


ただ、じっとレインたちを見つめているだけだった――。


アイリスが、少しだけ首を傾げる。

「ねえ、あいつ」

「うん?」

「私たちを攻撃する気、ないんじゃない?」


レインも紅貝の魔王を見つめる。

「……そうみたい」


確かに、紅貝の魔王から敵意は感じられない。襲ってくるわけでもない。魔法を撃ってくるわけでもない。


ただ――。

クリムゾンシェルを撒いている。


「被害は最小で終わりそうね」

レインはそう呟きながら、神ナリの剣へのチャージを続ける。


「もうちょっと……!」


神ナリの剣へ、魔力が集まっていく。

光が、少しずつ強くなっていく。


その時だった――。

紅貝の魔王が動いた。


ふわっ。

「えっ?」

紅貝の魔王の身体が、地面から浮き上がった。


そのまま――。

すーっ……。

空中を滑るように移動していく。


レインが慌てて顔を上げる。

「あっ! 逃げないでっ!」


ナイトがカメラを抱えたまま走り出す。

「追いかけるぞ!」

「分かった!」

アイリスも後を追う。


三人は、紅貝の魔王を追いかけて走った。


しかし――。

紅貝の魔王は、攻撃してこない。

ただひたすら、空中を移動していく。


「待ってー!」

レインたちが必死に追いかける。


そして――。

紅貝の魔王が、次の田んぼへ到着した。

ふわりと地面へ降りる。


そして、また――。

クリムゾンシェルを撒き始めた。


「また!?」

レインが叫ぶ。


「別の田んぼにも撒いてる!」

アイリスも驚く。


紅貝の魔王は、次々とクリムゾンシェルを田んぼへ放っていく。ナイトは、その様子をカメラに収めながら呟いた。

「こいつ、逃げてるんじゃない」

「……」

レインは田んぼを見る。


クリムゾンシェルが、どんどん増えていく。

一匹……二匹……そして……。

田んぼいっぱいに広がっていく。


「田んぼが壊れちゃう! やめてっ!」

レインが叫ぶ。


しかし――。

紅貝の魔王は、レインたちへ攻撃することなく、再び空中へ浮かび上がった。

ふわっ。

そのまま、次の田んぼへ向かっていく。


「あっ、また行った! 待って!」

レインたちは、必死に追いかける。

走りながら、レインは神ナリの剣を握りしめる。


まだ、魔力は十分に蓄えられている。

いつでも、一閃を放てる。

だが――。


今は、斬ることよりも。目の前の田んぼを守ることの方が気になっていた。レインは、飛んでいく紅貝の魔王へ向かって叫ぶ。


「コメライス村の田んぼを――これ以上荒らさないでっ!」

読んでくれてありがとうございます!

この作品は不定期で投稿してます。


※本作の作中に挿入されている画像は、AI生成によるイメージイラストです。

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