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魔王予報のお時間です〜午前中は魔王が暴れるでしょう。午後には討伐され絶好のスローライフ日和になるでしょう〜  作者: さば味リン
3章 転

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第91回「紅貝の魔王」

※本作は「小説家になろう」と「カクヨム」に重複投稿しています。

レインたちは、紫色の煙が立ち上る場所へ走っていた。やがてその姿が見えてきた。


「今回は魔王18号!」

レインが叫ぶ。


三人の前方に魔王が立っていた。

その大きさは、およそ1.5メートル。 人間とほとんど変わらない。


「グオオオオオッ!」

魔王18号が雄叫びを上げる。


しかし――。

魔王18号は、レインたちには目もくれなかった。

そのまま、田んぼへ向かっていく。


「ちょっと待って」

レインが足を止める。


魔王18号は田んぼの中へ入り、何かを撒き始めた。レインはその様子を見ている。

「……あいつ、何してるの?」

「田んぼに何か撒いてるわね」

アイリスも目を凝らす。


魔王が撒いているのは――。

赤い、小さな生物だった。


魔王18号は、次々と赤い生物を田んぼへ放っていく。やがて一枚目の田んぼを終えると、次の田んぼへ移動した。


そして――。

そこでも同じように、赤い生物を撒き始める。


「また撒いた!」

レインが驚く。


「次の田んぼにも……」

アイリスが呟く。


魔王18号は、いくつもの田んぼへ赤い生物を撒いていく。


そして、しばらくすると――。

今度は、先ほど赤い生物を撒いた田んぼへ戻ってきた。


「戻ってきた?」

レインが目を細める。


その時――。

二人は、魔王18号の背中にあるものに気づいた。


「……何あれ!?」

アイリスが声を上げる。


魔王の背中には――。

巨大な貝殻が付いていた。

巻き貝のような形をした、大きな殻。


「背中に貝殻!?」

レインも驚く。


魔王18号は、そんな二人のことなど気にしていない。ゆっくりと、田んぼにいる赤い生物へ手を伸ばす。そして――。


赤い生物から、何かが吸い上げられていく。

ミルミルミル……。


赤い生物の身体から、エネルギーのようなものが魔王18号へ流れ込んでいく。


「グギャー!」

魔王18号が雄叫びを上げた。


ミルミルミル……。

魔王の身体が――。

みるみる赤く染まっていく。


レインはぽつりと呟く。

「赤くなってる……」


ナイトが女神のカメラを向ける。

「赤い生物……あれは?」


その時だった――。


「すまない!」

後方から声が響いた。


「あれっ? コシヒコさん!」

レインが振り返る。


コシヒコが走ってきた。

息を切らしながら、田んぼへ目を向ける。

「田んぼの様子が心配で、来てしまった!」


コシヒコは、田んぼの中にいる赤い生物を見つめた。そして、その表情が変わる――。

「あれは……クリムゾンシェル!」


「なんて?」

レインが聞き返す。


アイリスも首を傾げた。

「赤巻き貝?」


コシヒコは頷いた。

「タニシが魔物化したものだ……」


コシヒコは田んぼを見つめる。

「稲を食べて、田んぼを荒らす魔物だ」

「なるほど……」

レインは、もう一度魔王18号を見る。


魔王は今も、クリムゾンシェルからエネルギーを吸収していた。その身体は、さらに赤く染まっていく。


アイリスが呟く。

「魔王は、クリムゾンシェルを田んぼにばら撒いて……クリムゾンシェルにエネルギーを蓄えさせる……」


アイリスが続ける。

「さらに、クリムゾンシェルからエネルギーを吸収して、力にしている……」


「なんてまわりくどいっ!」

レインが目を見開く。


ナイトもカメラを構えながら呟いた。

「つまり……田んぼそのものを、魔王の力を増やす場所にしているわけか」


レインは魔王18号を指差した。


「あいつはっ!」

その声が、田んぼに響く。


「あいつはっ! 紅貝の魔王!」

レインが叫んだ。


「グオオオオオッ!」

魔王18号が咆哮する。


赤く染まった身体。

背中に背負った巨大な貝殻。

そして――。


田んぼに放たれた、大量のクリムゾンシェル。

コメライス村の田んぼに――。

魔王の咆哮が、響き渡った。

読んでくれてありがとうございます!

この作品は不定期で投稿してます。


※本作の作中に挿入されている画像は、AI生成によるイメージイラストです。

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