第90回「コメライス村に降臨」
※本作は「小説家になろう」と「カクヨム」に重複投稿しています。
コメライス村――。
村人たちが避難してから、静かな時間が流れていた。田んぼには、植えられたばかりの苗。その間を、数羽のマカモがのんびりと泳いでいる。
そんな穏やかな朝――。
レインたちは、朝食を終えたところだった。
食器を片付けながら、アイリスがふっと息を吐く。
「ごちそうさまでした」
レインも満足そうに笑った。
「美味しかったねぇ」
ナイトは、空になった皿を眺めながら頷く。
「いい朝飯だった」
――その時。
「……」
レインの表情が変わった。
さっきまでの穏やかな笑顔が消える。何かを感じ取ったように、じっと遠くを見つめる。
そして――ピンッ!
レインが顔を上げた。
「……来た!」
アイリスが振り向く。
「えっ?」
レインは勢いよく立ち上がった。
「魔王が降りた!」
「どこ?」
アイリスが周囲を見回す。
その直後だった――。
アイリスの視線が遠くへ向く。
「あれ!」
遠くの空へ、紫色の煙が立ち上っていた。
「紫の煙が見える!」
ゆっくりと。
しかし、確実に。
紫色の煙が空へ広がっていく。
ナイトもすぐに立ち上がった。
女神のカメラを抱える。
「来たぞっ! 緊急配信だ!」
アイリスも女神の杖を手に取った。
「行きましょう!」
ナイトが先頭を指差す。
「走るぞっ!」
三人は一斉に駆け出した――。
レインはカメラに向かって声を上げる。
「魔王予報士レイン、出動です!」
アイリスも続く。
「魔王が降臨しました!」
ナイトが女神のカメラを構えた。
「緊急配信、開始!」
魔法通信を通して、世界中へ映像が届き始める。
――魔王、降臨。
紫色の煙が、ゆっくりと空へ広がっていく。
「コメライス村は――」
レインは、まっすぐ紫色の煙を見つめる。
「……あたしたちが守ります!」
アイリスが隣に並ぶ。
「ええ!」
ナイトもカメラを構え直した。
「しっかり撮るぞ!」
向かう先は――。
魔王が降臨した場所。
穏やかな朝だったコメライス村に。
ついに――魔王が降臨した。
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この作品は不定期で投稿してます。
※本作の作中に挿入されている画像は、AI生成によるイメージイラストです。




