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魔王予報のお時間です〜午前中は魔王が暴れるでしょう。午後には討伐され絶好のスローライフ日和になるでしょう〜  作者: さば味リン
3章 転

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第89回「残るコシヒコと朝ご飯」

※本作は「小説家になろう」と「カクヨム」に重複投稿しています。

コメライス村――。

魔王の予報を受け、村民たちは避難を始めた。

家を確認し、必要な荷物をまとめ、それぞれが避難場所へ向かう。


そして――。

村民は、全員避難を終えていた。

さっきまで人の声が聞こえていた村は、静まり返っている。


その中に、レインたちともう一人。

コシヒコが残っていた――。


レインは、コシヒコを見る。

「コシヒコさんは、避難しなくて良かったんですか?」


コシヒコは、いつもの穏やかな表情で答えた。

「君たちが残って戦うのに、村全員いなくなるのもな」


レインは何も言わず、コシヒコを見る。

「俺くらいは、残っておこうと思ってな」

「ありがとうございます」

レインが頭を下げる。


アイリスも心配そうに続けた。

「でも、無理はしないでくださいね」

「分かってるさ」

コシヒコは、いつものように笑った。


そして――。

何かを思い出したように、付け加える。

「それにな、マカモの面倒もあるしな」


レインが目を見開く。

「あっ! そうだった!」

「確かに……」

アイリスも頷いた。


ナイトが、遠くの田んぼを見る。

「村人は避難できても、マカモは連れて行けないか」


遠くの田んぼでは――。

数羽のマカモが、水の中を気持ちよさそうに泳いでいた。

「クワッ」

その鳴き声が、静かな村に響く。


レインはマカモを見つめた。

そして、ぽつりと呟く。

「なんだか、いつも通りですね」

「そうね」

アイリスも静かに頷く。


ナイトは女神のカメラを下ろし、村を見渡した。

そこに残された穏やかな日常を見て呟く。

「守るしかないよな……」


◇


村民たちが全員避難した翌日――。

コメライス村は、静まり返っていた。

いつもなら聞こえてくる村人たちの声もない。


誰もいない道。

静かに佇む家々。

そんな静かな村の中で――。

村長の家では、朝ご飯の準備が始まっていた。


食卓には、コメライス村自慢のおにぎり。焼き魚に、温かな汁物。炊き立てのお米の香りが、部屋いっぱいに広がっている。


それを見たレインの目が輝いた。

「わぁ! 朝からご馳走ですね!」

「お米が主役ね」

アイリスも嬉しそうに食卓を見る。


コシヒコが胸を張った。

「うちの村自慢だからな」


ナイトも料理を眺める。

「これは楽しみだ」


料理を作っているのは、コシヒコとレイン、アイリス。料理がそこまで得意ではないコシヒコを、二人が手伝っている。そしてナイトは、料理を運ぶ係だ。


「ここに置くぞ」

ナイトが料理を運んでくる。


「お願いしまーす!」

レインが返事をする。


「汁物、できたわよ」

アイリスも鍋を運んでくる。


「こっちも完成です!」

レインも料理を並べていく。


コシヒコが、少しずつ料理で埋まっていく食卓を見ながら笑った。

「皆で作ると早いな」


一人では大変なことも、皆でやれば早く終わる。

そんな当たり前のことを感じながら、四人は協力して朝ご飯を準備していった。


やがて――。

食卓が料理でいっぱいになった。


「いただきます!」

レインが元気よく手を合わせる。

そして、おにぎりを一つ手に取った。


ぱくっ。

「んー!」

レインの顔が、一気に明るくなる。

「おにぎり、うまー!」


「お米、最強なのよ」

アイリスもおにぎりを食べながら頷く。


「分かる!」

ナイトも頷いた。


「ハハハ、嬉しいこと言ってくれるな」

コシヒコは、嬉しそうに笑う。


「だって、本当に美味しいです!」

レインが夢中で食べる。


「コメライス村のお米、最高ね」

アイリスも笑顔になる。


「そう言ってもらえると、作ってきた甲斐があるよ」

コシヒコも嬉しそうに答えた。


ナイトが、ふと窓の外を見る――。

誰もいない村。 いつもなら聞こえてくる人々の声も、今日は聞こえない。


「……やっぱり、静かだな」

ナイトがぽつりと呟いた。


レインも、おにぎりを手にしたまま窓の外へ目を向ける。

「……そうだね」


昨日まで一緒に田植えをしていた村人たち。 一緒に笑って、食卓を囲んだ人たち。今は、その姿がない……。


「早く、みんな帰ってこれるといいね」

レインが静かに言う。


レインは、窓の外へ視線を向けた。

「そのためにも、この村を守らないと」


「そうだな」

コシヒコも頷いた。


窓の外には、植えられたばかりの苗が並ぶ田んぼが広がっている。 その水田を、数羽のマカモが泳いでいた。


「クワッ」

「マカモも朝ご飯かな?」

レインが笑う。


「きっとそうね」

アイリスも微笑む。


「今日も元気そうだ」

コシヒコも、穏やかな表情でマカモを眺めた。


――村人たちの姿はない。

それでも、朝の時間はいつもと変わらず流れていた。コメライス村では、静かな朝が続いていた。

読んでくれてありがとうございます!

この作品は不定期で投稿してます。


※本作の作中に挿入されている画像は、AI生成によるイメージイラストです。

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