第94回「暴食のエネルギー」
※本作は「小説家になろう」と「カクヨム」に重複投稿しています。
紅貝の魔王の攻撃を、ナイトが必死に受け止めていた。魔王の爪が、次々と女神のカメラへ叩きつけられる――。
ガンッ!
「ぐっ!」
ナイトの腕に、重い衝撃が伝わる。女神のカメラが、紅貝の魔王の爪を弾いた。
しかし――。
紅貝の魔王は止まらない。
一度弾かれた爪をすぐに引き戻し、間髪入れずに次の一撃を繰り出してくる。
ガガッ!
「くっ……!」
ナイトは足を踏ん張り、必死に攻撃を受け流していく。
「レイン! まだかっ!」
ナイトが叫んだ。
レインは神ナリの剣を握る手に、さらに力を込める。それでも――。
レインは首を横に振る。
「まだ……まだだよ!」
目の前まで迫っている一閃の力。
レインは神ナリの剣を見つめた。その輝きを確かめるように、じっと目を凝らす。そして、悔しそうに呟いた――。
「あたしのチャージより……」
レインは紅貝の魔王へ視線を向ける。
「強くなる方が速い……」
「えっ?」
アイリスが驚く。
レインは首を振った……。
神ナリの剣を握る手に力が入る。
「分かるの! まだ斬れない!」
「なんだとっ!」
ナイトが叫んだ。
その瞬間――。
「グギャー!」
紅貝の魔王が吠えた。
そして、ナイトから離れる。
「おい!」
紅貝の魔王は、再び別の田んぼへ向かっていく。
「またか!」
ナイトが追いかける……。
紅貝の魔王は田んぼへ降り立ち、クリムゾンシェルに手を伸ばす――。
ミルミルミル……。
クリムゾンシェルから、エネルギーが吸い上げられていく。
「グオオオオオッ!」
紅貝の魔王が雄叫びを上げる。
その身体が――。
さらに赤く染まった。
「また強くなった!」
ナイトが叫ぶ。
アイリスも魔王を見つめる。
「どうして……!」
レインは、神ナリの剣を見つめた。
そして、理解する。
「チャージしているエネルギーより……」
レインは、紅貝の魔王へ視線を向ける。
「魔王が吸収しているエネルギーの方が大きい!」
アイリスが息を呑む。
「つまり……」
レインは頷いた。
「時間をかけるほど、こっちが不利になる!」
「グギャー!」
紅貝の魔王が再び襲いかかる。
ガガッ!
「ぐっ!」
ナイトが女神のカメラで攻撃を受け止める。
ズズズッ……。
足が地面を滑った。
「こいつ……!」
ナイトは必死に踏ん張る。
「本当に、どんどん強くなってやがる!」
その激しい戦いは、魔法通信を通して世界中へ届いていた。
配信コメント欄も、一気に騒がしくなる。
『ヤバい!』
『強くなりすぎじゃない!?』
『詰んでるとか?』
『これ、神ナリ一閃でも無理なのでは?』
『レインさん頑張れ!』
その時――。
ひとつのコメントが流れた。
『俺は、神ナリ一閃を信じている!』
レインは、その言葉をじっと見つめた。
そして――。
神ナリの剣を、強く握る。
「……あたしも、信じてる」
小さく、しかし力強く呟いた。
その直後――。
「グギャー!」
紅貝の魔王が、また田んぼへ向かっていく。
レインが顔を上げる。
「急がないと……」
紅貝の魔王の手が、再びクリムゾンシェルへ伸びる。
ミルミルミル……。
コメライス村の田んぼから――。
またひとつ……またひとつ……。
クリムゾンシェルのエネルギーが吸い上げられていく。
そして――。
紅貝の魔王は、さらに強くなろうとしていた。
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※本作の作中に挿入されている画像は、AI生成によるイメージイラストです。




