第95回「俺がなんとかする」
※本作は「小説家になろう」と「カクヨム」に重複投稿しています。
紅貝の魔王は、再び田んぼへ向かっていた。
ふわりと空中へ浮かび上がると、別の田んぼへ移動していく――。
そして――。
田んぼに降り立つと、クリムゾンシェルに手を伸ばした。
ミルミルミル……。
クリムゾンシェルから、エネルギーが吸い上げられていく。
「グオオオオッ!」
紅貝の魔王が雄叫びを上げる。
その身体が、さらに赤く染まっていった。
その様子を、コシヒコはじっと見つめていた。
「魔王は……」
コシヒコが呟く。
「田んぼを荒らしながら、強くなっている」
「そうなんです……」
レインも険しい表情で頷いた。
アイリスは周囲の田んぼを見渡す。
「このままじゃ、魔王が強くなる一方よ」
アイリスは、田んぼにいるクリムゾンシェルへ視線を向けた。
「あのクリムゾンシェルさえいなければ……!」
「そう!」
レインも頷く。
「あの赤巻き貝が邪魔なのよっ!」
「……」
コシヒコは黙って田んぼを見つめていた。
新しく植えられた苗。
その間を這う、クリムゾンシェル。
そして――。
クリムゾンシェルを利用して、どんどん力を増していく紅貝の魔王。
コシヒコは、しばらく考えてた……。
そして――。
「俺が……クリムゾンシェルをなんとかする!」
レインは振り返る。
「コシヒコさん! 本当に?」
コシヒコは力強く頷いた。
「ああ! ここは俺の村だ」
そして、田んぼへ視線を向ける。
「田んぼのことなら、俺に任せてくれ」
その言葉に、アイリスが頷いた。
「分かった!」
アイリスは女神の杖を構える。
「身体強化!」
杖から光が放たれ、コシヒコの身体を包み込んだ。
「おお……!」
コシヒコは両手を握り、身体の力を確かめる。
身体の奥から、いつも以上の力が湧いてくる。
「これならいけそうだ」
コシヒコは周囲を見回した。
すると――。
田んぼのそばに、アミが置かれているのが目に入った。コシヒコはアミを手に取る。
ナイトが、その様子を見た。
「それで捕まえるのか?」
「ああ……」
コシヒコは、アミをしっかりと握りしめる。
「どのみち、クリムゾンシェルを、このままにしておくわけにはいかない」
そして――。
紅貝の魔王に、これ以上力を与え続けるわけにもいかない。
「だから……俺が取り除く」
コシヒコはアミを構え、レインたちを見る。
「それまで――耐えてくれ!」
ナイトが頷く。
「分かった!」
そして、力強く続ける。
「頼みます!」
「コシヒコさん、気をつけて!」
レインも声をかける。
「任せろ!」
コシヒコは、アミを手に田んぼへ向かって走り出した。
その姿を見送りながら、レインは神ナリの剣を握り直す。自分にも、やるべきことがある。レインは、神ナリの剣へひたすら魔力を送り続ける。
アイリスはナイトの身体強化を維持する。
ナイトは紅貝の魔王を引きつける。
そして――。
コシヒコは田んぼの中へ入り、クリムゾンシェルを追いかけていく。
「そこか!」
アミを振るう。田んぼの中で、クリムゾンシェルを一匹ずつ追っていく。
四人は、それぞれ違う場所で戦っていた。
やることは違っても、目的はひとつ。
コメライス村を守ること――。
レインは、そんな仲間たちの姿を見つめた。
そして、神ナリの剣を強く握りしめる。
「皆で……この村を守るんだ!」
レインは紅貝の魔王を見据える。
コメライス村の戦いは――。
まだ終わらない。
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この作品は不定期で投稿してます。
※本作の作中に挿入されている画像は、AI生成によるイメージイラストです。




