↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔王予報のお時間です〜午前中は魔王が暴れるでしょう。午後には討伐され絶好のスローライフ日和になるでしょう〜  作者: さば味リン
3章 転

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
88/147

第82回「泥だらけの二人」

※本作は「小説家になろう」と「カクヨム」に重複投稿しています。

コメライス村の田んぼ――。

コシオは、レインとアイリスに田植えのお手本を見せていた。


「こうやって植えていきます」

苗を手に取り、一定の間隔で植えていく。


「なるほど!」

レインは、コシオの手元をじっと見ていた。


そして――。

見よう見まねで苗を手に取る。

後ろへ少しずつ下がりながら、一つずつ苗を植えていく。

「こうかな?」

「そうそう。その調子です」


コシオに教えてもらいながら、レインは順調に田植えを進めていく。


ところが――。

突然、レインが声を上げた。

「あぁー! 足が抜けないっ!」


田んぼの泥に、レインの足がすっかり埋まっていた。


「あーん、ズブズブだわっ!」

アイリスも思わず声を上げる。


コシオは笑った。

「ハッハッハ」


「笑ってる場合じゃないですよー!」

レインが必死に足を動かす。


「最初は皆さん、そうなりますよ」

「そうなの?」


その様子を見ていたナイトが、冷静に注意する。

「勢いよく抜いたら、後ろに倒れるぞ!」


レインが振り返る。

「それって、倒れろってこと?」


「違うわよっ!」

アイリスが即座に突っ込んだ。


配信のコメント欄も、一気に盛り上がっていく。

『前フリか?』

『これは何か起こるぞ!』

『レインさん気をつけて!』

『ナイトさん、それフラグでは?』


「なんでみんな、そんなに楽しそうなのっ!」

レインは文句を言いながらも、田植えを続ける。


アイリスも隣で苗を植えていく。

最初は慣れなかった二人も、少しずつ田植えの作業に慣れてきた。

田んぼには、苗の列が少しずつ増えていく。


しかし――。

「……あぁー、曲がってるー!」

レインが、自分の植えた苗の列を見る。


「難しいわねっ!」

アイリスも苦笑する。


コシオは二人の田植えを眺めながら、頷いた。

「いやいや、上手ですよ」

「本当ですか?」


「ええ。最初にしては上手です」

「やったー!」

レインが嬉しそうに笑う。


そのまま田植えを続けていると――。

レインが、手元に残った苗を確認した。

「あれ? 苗、足りないな」


アイリスが自分の手元を見る。

「こっち、余ってるわよ?」


レインが振り向く。

「本当? あたしにちょうだい」

「はいよっ!」


アイリスが苗を渡そうと、手を伸ばす。

レインも受け取ろうと手を伸ばした。


あと少し。

もう少しで苗を受け取れる――。

その瞬間。


ガクン!

「わぁー!」

レインの身体が、大きく傾いた。


「あ、ちょっと!」

アイリスも、とっさにレインを支えようとする。


しかし、田んぼの泥に足を取られてしまった。

二人はお互いに支えようとして――。


「ちょっと待って!」

「動けないわっ!」


支えるどころか、互いに押し合うような格好になってしまう。

二人とも斜めに傾いたまま、身動きが取れない。


「コレは良くない!」

「もうコレ、詰んでるわっ!」


ナイトは女神のカメラを構えたまま、二人を見つめていた。

そして、冷静に一言――。

「まぁ、こういう絵もあっていいかもな」


「助けなよっ!」

「俺、ウェーダー着てないし」

「ぐぬぬ……」


次の瞬間――。

バシャーン!

「うぅー!」

「あぁー!」


二人の身体が、盛大に田んぼへ倒れ込んだ。

泥と水が大きく跳ね上がる。


レインもアイリスも、全身泥だらけ。

そして――。

ナイトは、しっかりと女神のカメラを構えていた。


「……撮れた」

「ナイトーーー!」

「もうっ!」

二人の叫び声が、田んぼに響き渡る。


コメント欄も大盛り上がりだった。

『前フリ回収した!』

『ナイス田植え!』

『二人とも泥だらけ!』

『ナイトさん、仕事したな!』

『最高の映像だ!』


レインは泥だらけの顔で、カメラを睨む。

「田植え……続けます」


アイリスも泥を拭いながら頷いた。

「ええ、最後までやり遂げましょう」


ナイトはカメラを構え直す。

「もちろん撮るぞ」

「ナイトも田植え……手伝ってよ!」


コメライス村に――。

三人の笑い声が響いた。

読んでくれてありがとうございます!

この作品は不定期で投稿してます。


※本作の作中に挿入されている画像は、AI生成によるイメージイラストです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。