第79回「最後のご挨拶」
※本作は「小説家になろう」と「カクヨム」に重複投稿しています。
翌朝――。
レインたちは、グランドホテルを後にしようとしていた。荷物をまとめ、玄関へ向かう。
すると――。
ホテルの前に、一台の豪華なロイヤル馬車が静かに停まっていた。
「え?」
レインが目を丸くする。
馬車の横には、見覚えのある侍女が立っていた。
侍女は三人へ向かって、優雅に一礼する。
「レインさま、アイリスさま、ナイトさま」
「お待ちしておりました」
「あっ! 昨日の侍女さん!」
侍女は微笑む。
「国王さまがお待ちです」
「わわー!」
レインが驚く。
アイリスは苦笑した。
「またお城なのね」
ナイトは頷く。
「最後のご挨拶だな」
三人はロイヤル馬車へ乗り込み、王城へ向かった。
そして――。
昨日と同じ応接間。
そこでは、国王ヘンリー三世とアンリエッタ姫が待っていた。
国王が三人へ向かって口を開く。
「レイン殿、アイリス殿、ナイト殿」
そして、穏やかな笑顔を浮かべた。
「改めて礼を言う……カルディアを救ってくれて、本当にありがとう」
レインは笑顔で頭を下げる。
「こちらこそ、お世話になりました!」
国王は頷いた。
そして――。
「一つ、頼みがある」
「はい?」
レインが顔を上げる。
「今後も魔王予報を続けてほしい。そして、カルディア王国にも情報を届けてほしい」
アイリスは力強く頷いた。
「もちろんです!」
ナイトも笑顔で答える。
「まだまだ、俺たちはやるぜ!」
アイリスがすぐに振り返る。
「ちょっと! ちゃんと話してよ!」
ナイトは慌てて姿勢を正す。
「あっ! すみません……」
その様子を見て――。
国王は豪快に笑った。
「はっはっは!」
そして、嬉しそうに三人を見る。
「若いとはいいな」
アンリエッタも微笑んでいた。
「皆さん、本当にありがとうございました」
しばらくして……。
レインたちは王城を後にすることになった。
すると――。
アンリエッタ姫が、自ら馬車のところまで見送りに来てくれた。
「レインさん!」
「アンリエッタ姫さま!」
アンリエッタは嬉しそうに、小さな魔法端末を取り出した。
「私、お父様に魔法通信端末を用意してもらえたんです」
「良かったですね!」
レインも嬉しそうに笑う。
アンリエッタは魔法通信端末を操作する。
「登録しますね!」
そして――。
「毎日見ますからっ!」
レインは笑顔で、大きく手を振った。
「はいっ! 楽しい配信、頑張りますね!」
アンリエッタも、大きく手を振り返す。
「お気を付けて!」
ロイヤル馬車が、ゆっくりと動き始める。
レインたちは馬車の窓から手を振り、アンリエッタの姿を見送った。
やがてロイヤル馬車は王城を離れ、王都カルディアの街を進んでいく。しばらくして、ロイヤル馬車はホテルの前で停まった。
三人は馬車から降りる――。
レインは、走り去っていくロイヤル馬車を見ながら言った。
「ホミラタウンまでは?」
アイリスが答える。
「乗り合い馬車よ」
三人はそのまま、ホミラタウンへ向かう馬車乗り場へ歩き出した。
読んでくれてありがとうございます!
この作品は不定期で投稿してます。
※本作の作中に挿入されている画像は、AI生成によるイメージイラストです。




