【改稿】第7回「女神さまのエール」
ゴロゴロ山、山頂――。
三種の神器を受け取り、三人はちょっとした感動の余韻に浸っている。
――誰もが美談で終わる、そう信じた矢先のことだった。
女神さまが急に顔をしかめると、ピッと指をナイトに向けた。
『おい! お前!』
突然の素のトーンに、場が一瞬で静まり返った。
『今、そのカメラで私を映すなよっ!』
ナイトは氷柱のようにピキピキと凍りついた。
「……」
『神の御姿とは神聖なものだ! そうそう安売りはしたくない』
「……心得ました」
そして女神は、なにか大切なことを思い出す。
『そういえば、お前のもとのカメラ……壊れていたな?』
「……はい」
ナイトは頭をフル回転させる。
神罰のせいでカメラを落としたと――カドを立てずに伝えるには……。
『お前が落として壊した……そうだな?』
「……」
『あの神罰はただの音と光だ、神罰が原因で壊れたわけじゃない、いいな?』
「はい……俺が勝手に落として壊しただけです……」
冷や汗を流しながら力なく答えるナイトを見て、女神は満足そうに頷いた。
『よろしい』
(でも、どうみても原因は神罰だよなぁ……)
レインは心の中でそっとツッコミを入れつつ、苦笑いを浮かべる。
『コホン』
わざとらしく一つ咳払いをすると、女神は仕切り直すように言葉を続けた。
『まぁ、これから大変だろうが……』
『お前たち人間の世界だ、人間が頑張るのは当然だな』
女神さまの言葉に、レインはパッと目を輝かせる。
レインの耳には『陰ながら応援しているぞ』というエールに聞こえたのだ。
「女神さまっ! こう優しくしてくれるってことは……」
「あたしたち人間の味方ってことですよねっ!」
感動した面持ちで尋ねるレインに対し、女神さまは心底面倒くさそうにため息をつく。
『魔王は下手したら神界にも来るからな』
『こっちに来ないよう、お前たちに止めて欲しいだけだ』
「えぇ……」
あまりに正直な本音に、レインは思わず肩を落とす。
「ま、まぁ、魔王をそのままには出来ないし……」
「俺たちがなんとかするしかないのか……」
呆れる三人に向かって、女神はしれっと言い放つ。
『三種の神器で魔王の討伐、頼むぞ!』
多少、腑に落ちないところがありつつも、レインは「神ナリの剣」を抱きしめた。
「女神さまからの贈り物……大切に使います!」




