↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔王予報のお時間です〜午前中は魔王が暴れるでしょう。午後には討伐され絶好のスローライフ日和になるでしょう〜  作者: さば味リン
2章 承

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
78/147

第77回「本物でした」

※本作は「小説家になろう」と「カクヨム」に重複投稿しています。

魔王5号が消滅した後――。


王都中央広場には、ようやく安堵の空気が広がっていた。

レインたちは、倒れているシグルドのもとへ駆け寄る。


「シグルドさん!」

「大丈夫ですかっ!」


シグルドは苦笑しながら、ゆっくりと身体を起こそうとする。

「ああ……大丈夫だ」


すると、そばで治療をしていた回復魔法師が慌てて声を上げた。

「あっ、まだ動かないでください!」


シグルドは苦笑する。

「ははっ、すまんな」


回復魔法師に促され、再び横になる。


そして――。

シグルドはレインを見つめ、静かに笑った。

「やっぱり、本物は別格だな?」


「え?」

レインが首を傾げる。


シグルドは、先ほど自分が放った一撃を思い返すように空を見た。

「俺の一閃は……届かなかった」


その言葉に、レインは首を横に振った。

「いやいや」


レインは笑う。

「シグルドさんの一閃も――」


そして、はっきりと告げた。

「本物でしたよ」


シグルドは、一瞬だけ目を丸くした。


やがて――。

ふっと笑みを浮かべる。


「……そうか」


そして、目を閉じる。

「それは、良かった」


その言葉を聞いたアイリスも、微笑んだ。

「二人とも、お疲れさまでした」


ナイトは、女神のカメラをそっと下ろす。

「いい締めだな」


王都カルディアを守った戦い。


それは、誰が一番強かったのかを競う戦いではなかった。


騎士団長の一撃。

仲間を支えた魔法。

命懸けで時間を稼いだカメラマン。


そして――。

最後に魔王を消滅させた、魔王予報士。


互いの力を認め合った者たちの笑顔が――。

その勝利を、何よりも物語っていた。


◇


魔王5号の討伐から、しばらくして――。

王都では、避難解除が発表された。


ナイトは女神のカメラを肩に担ぎ、街の様子を映していく。

「配信、続けるぞ」


レインたちは、そのまま避難解除の様子を配信することにした。


カメラが街を映す。

レインが、画面の向こうへ笑顔を向けた。

「皆さん、こんにちは」


そして、ゆっくりと告げる。

「魔王の討伐が完了し、避難解除となりました」


カメラには、城壁の外からゆっくりと戻ってくる住民たちの姿が映っている。


親子連れ……商人……冒険者……。


皆、ほっとした表情を浮かべながら、それぞれの家路へ向かっていく。


アイリスが街を見渡した。

「魔王のせいで、大騒ぎでしたね」


レインも、戻っていく人々を見つめる。

そして――。

笑顔で言った。


「でも、皆さんが無事に帰って来られて、本当に良かったです」


街では、少しずつ店が開き始めていた。


閉ざされていた扉が開く。

人々が店先を掃除する。

魔道具の明かりも、一つ、また一つと戻っていく。


王都カルディアに――。

少しずつ、いつもの日常が戻ってきていた。


レインは、安堵したように息をつく。

「死者は出なくて良かったです」


アイリスも頷いた。

「早めの避難が、実を結びましたね」


その言葉を聞きながら、ナイトはカメラをゆっくりと街へ向ける。


戦場ではない。

魔王もいない。

ただ、人々が帰っていく街。


ナイトは静かに言った。

「これが一番撮りたかった景色だ」


画面には――。

安心した笑顔で家へ帰る人々の姿が映し出されていた。


魔王は消えた。

そして――。

カルディアには再び、穏やかな日常が戻ってきた。

読んでくれてありがとうございます!

この作品は不定期で投稿してます。


※本作の作中に挿入されている画像は、AI生成によるイメージイラストです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。