第74回「変身完了」
※本作は「小説家になろう」と「カクヨム」に重複投稿しています。
――王都中央広場。
魔王5号は、王都中から十分な魔力を吸収すると、大きく息を吸い込んだ。
「グワァァァーッ!!」
雄叫びが、王都中へ響き渡る。
魔王の身体を、紫の瘴気が包み込んだ。
「なっ……!」
騎士たちが身構える。
瘴気の中で、魔王5号の姿が大きく変化していく。
そして――。
瘴気が晴れた。
そこに立っていたのは。
黒光りする身体。
鋭く伸びたツメ。
そして、その身長は――。
約2メートル。
レインはじっと魔王を見つめる。
そして、ぽつり。
「うん……いつもの大きさになった」
ナイトも頷く。
「だな」
アイリスは魔王を見ながら、苦笑する。
「いつもより強そうだけどね……」
その姿からは、先ほどまでの小さな魔王という印象は完全に消えている。
シグルドは剣を握り直した。
「ぐっ……」
それでも――。
瞳から闘志は消えない。
「まだまだ!」
次の瞬間――。
魔王5号のツメが鋭く振るわれた。
ビュンッ! ガキィーン!
騎士の剣が弾き飛ばされる。
「ぐわぁっ!」
騎士がそのまま吹き飛ばされた。
さらに――。
二撃。
三撃。
魔王5号の攻撃が次々と襲いかかる。
「ぐあっ!」
「うわぁっ!」
前線の騎士たちが、次々と倒れていく。
アイリスが叫んだ。
「負傷者が増えてる!」
レインも思わず息をのむ。
「このままじゃ……」
しかし――。
シグルドは倒れた騎士たちを一瞬だけ見た。
そして、再び魔王5号へ視線を戻す。
その目には、まだ戦う意志が宿っている。
「魔力が吸われるとしてもだ……」
シグルドは剣を構えた。
そして――。
剣へ魔力を流し始める。
刀身が淡く輝く。
「吸われるより先に当てればいいんだろう?」
レインの表情が明るくなる。
「確かに!」
ナイトも思わず笑みを浮かべた。
「俺は好きだな、その考え!」
シグルドは深く息を吸い込む。
そして――。
「全魔力を乗せる!」
シグルドの魔法剣に、莫大な魔力が集まっていく。
「えぇーっ!?」
レインが驚きの声を上げる。
すると、シグルドがレインへ振り返った。
そして、力強く笑う。
「俺にも出来るか?」
「え?」
シグルドは剣を掲げる。
「神ナリ一閃ってヤツだ!」
レインは一瞬、目を丸くした。
そして――。
その意図を理解すると、レインは力いっぱい叫んだ。
「シグルドさんの一番強い一撃、見せてください!」
シグルドは静かに頷いた。
「……ああ」
そして、魔王5号へ向き直る。
剣に宿る魔力が、さらに強く輝いていく。
騎士団長シグルド、その渾身の一撃が――。
いま、放たれようとしていた。
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※本作の作中に挿入されている画像は、AI生成によるイメージイラストです。




