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魔王予報のお時間です〜午前中は魔王が暴れるでしょう。午後には討伐され絶好のスローライフ日和になるでしょう〜  作者: さば味リン
2章 承

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第65回「庶民のおめかし」

※本作は「小説家になろう」と「カクヨム」に重複投稿しています。

王城の控え室――。

豪華なテーブルの上には、お茶と色とりどりのお菓子が並べられていた。


レインはその中から袋菓子を一つ手に取る。

そして――。


「バリバリッ」

勢いよく頬張った。

「ウマー!」


「ほどほどにな」

ナイトが苦笑する。


レインは袋を差し出した。

「ナイトも食べなよ! めちゃウマいよ!」


「そうか」

ナイトは少し考えてから、一つ手に取る。

「じゃあ、もらうか」


口に入れて、ゆっくりと味わう。

「……うまいな」


「でしょー!」

レインが嬉しそうに笑う。


そんな二人を見て、アイリスは苦笑した。

「まぁ、リラックスしてると思えば良いのかな」


「そうそう!」


レインは胸を張る。

「あたしたちは庶民ですからっ!」


「胸を張って言うことか?」

ナイトが呟く。


三人の笑い声が、豪華な控え室に響いた。


しばらくすると――。

コンコン。

扉がノックされた。


「失礼いたします」

先ほどの従者が入ってくる。


「お着替えのお手伝いをいたします」


「は、はいっ!」

レインは慌てて立ち上がった。


その後、三人は男女に分かれ、それぞれ着替えの部屋へ案内された。

レインとアイリスは、配信ギルドから借りてきた貸衣装を手に取る。


「ドレスですかぁ……」

アイリスが衣装を眺める。


「初めて着るかもぉー!」

レインの声が弾んだ。


従者たちは慣れた手つきで二人の衣装を整えていく。

髪を結い、身だしなみを整え、丁寧に化粧を施していく。


普段の配信では、もっと気軽な服装だ。


しかし今日は違う。


王城で行われる正式な感謝状授与式。

二人の姿は、少しずつ式典にふさわしいものへと変わっていった。


やがて準備が終わる。


鏡の前に立ったレインは、自分の姿をじっと見つめた。

「なんか……別人みたい」


アイリスも鏡を見ながら微笑む。

「こんな格好、滅多にできないわね」


二人とも、普段とは少し違う姿になっていた。


レインは鏡を眺めながら、ふと首を傾げる。

「……ねえ」

「何?」

「こんだけやるってことは……」


レインは少し期待するような顔をした。

「お姫さま来るかな?」


従者は微笑みながら答える。

「本日の感謝状は、国王さま直々にお渡しになる予定です」


「えー!」

レインの目が大きく開く。


「本当ですかぁー!」

アイリスも思わず声を上げた。


二人は顔を見合わせる。


王都へ来る前……。

レインは、もしかしたらお姫さまから感謝状を渡してもらえるのではないかと思っていた。


しかし――。

待っていたのは、それ以上の相手だった。


カルディア王国の王――。

その本人から、直接感謝状を受け取るのだ。


「……緊張してきた」

レインが小さく呟く。


「今さら?」

アイリスが笑う。


「だって国王さまだよ?」

「それはそうね」


二人は顔を見合わせる。


◇


着替えを終えたレインたちは、侍女に案内されて王城の廊下を歩いていた。


レインが身にまとっているのは、淡い水色のドレス。


派手さはない。

それでも、上品で清楚な装いだった。


アイリスは落ち着いたオレンジ色のドレス。

普段とは違う雰囲気ながら、それがよく似合っている。


そしてナイトも、貴族風のジャケットに飾りのタイを身につけていた。


いつもより少しだけ凛々しく見える。


三人が廊下を歩いていると、窓ガラスに自分たちの姿が映った。


レインは足を止めることなく、その姿を見ながら小さく笑った。

「庶民がおめかししてるね」


「そうだな」

ナイトも窓ガラスを見る。


「ふふっ」

アイリスも思わず笑った。


三人は少し照れくさそうに顔を見合わせる。


普段の配信では、こんな格好をすることなどない。

今日は特別な日なのだ。


先導していた侍女が振り返る。

「感謝状は応接間でお渡しいたします」


「応接間なんですね」

「はい。謁見の間ではございません」


その言葉を聞いて、三人の肩から少しだけ力が抜けた。

「よかったぁ……」


レインが小さく息を吐く。


そんな様子を見て、侍女は微笑んだ。

しばらく廊下を進んだところで、侍女が続ける。

「お部屋の中では、国王さまとお姫様がお待ちです」


「……緊張するなぁ」

レインの表情が少し固くなる。


「ほんとね」

アイリスも頷いた。

ナイトも静かに頷く。


いくら応接間とはいえ、待っているのはカルディア王国の国王と王女。

さすがに緊張しないわけがない。


やがて、侍女が大きな扉の前で立ち止まる。

「では、参りますね」


「はいっ!」

レインが背筋を伸ばす。


侍女が扉に手をかける。

ゆっくりと――。


重厚な扉が開いていく。

その向こうには、二人の人物が待っていた。


カルディア王国の国王。

そして、その隣に立つ王女。


レインたちは、いよいよ王国の主と対面する。

読んでくれてありがとうございます!

この作品は不定期で投稿してます。


※本作の作中に挿入されている画像は、AI生成によるイメージイラストです。

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