第62回「王都カルディア到着」
※本作は「小説家になろう」と「カクヨム」に重複投稿しています。
数日後――。
レインたちを乗せた馬車は、長い旅路を終え、巨大な城壁の前でゆっくりと停車した。
「わぁ……!」
レインが窓から身を乗り出すようにして、目の前を見上げる。
「着いたね」
アイリスも、その光景を眺める。
ナイトも静かに呟いた。
「ここが王都か」
目の前にそびえ立つ、巨大な城壁。
その向こうには、数え切れないほどの建物が立ち並んでいる。
大通りには多くの人々が行き交い、商人たちの声や馬車の音が響いていた。
ここが――。
王都カルディア。
カルディア王国最大の都市であり、政治と文化の中心地。
レインたちは、まず王都の配信者ギルドへ向かった。
ギルドへ入ると、受付嬢がすぐに三人を出迎える。
「お待ちしておりました」
そして、笑顔で名前を呼んだ。
「レインさん、アイリスさん、ナイトさん」
「今回の王城招待、おめでとうございます」
レインは嬉しそうに頭を下げる。
「ありがとうございます!」
受付嬢は、いくつかの書類を差し出した。
「ご宿泊先と、お食事処はこちらで手配しております」
「費用はすべて王城が負担いたします」
「えっ、本当に!?」
レインが目を丸くする。
アイリスは周囲を見ながら笑った。
「さすが王国ね」
ナイトも頷く。
「正式な招待だからな」
受付嬢はさらに説明を続ける。
「何かお困りのことがありましたら、カルディア配信者ギルドまでお気軽にご相談ください」
レインは思わず笑顔になった。
そして、胸を張る。
「やっぱ、善良な配信者には待遇が良いよねっ!」
「そこは、今まで頑張ってきたご褒美ってことで」
アイリスが苦笑する。
ナイトも頷いた。
「ありがたく、お世話になろう」
三人は受付嬢にお礼を伝えると、案内された宿へ向かった。
◇
王都の大通りをしばらく歩いていると、やがて一軒の大きな建物が見えてくる。
その建物の正面に掲げられた看板を、レインは見上げた。
「グランドホテル……」
ナイトは手元の案内状をもう一度確認した。
「本当に……ここか?」
アイリスが思わず声を上げる。
「間違ったら終わるわね……」
三人はホテルの入口の前で立ち止まった。
しばらく、誰も動かなかった。
磨き上げられた大理石の階段。
豪華な玄関。
大きく開かれた扉の向こうには、落ち着いた雰囲気の広いロビーが見えている。
出入りする宿泊客も、どこか気品にあふれていた。
レインは小声で呟く。
「……あたしたち……場違いだよね?」
「王城からの招待だから大丈夫だ」
ナイトが淡々と答える。
「そう自分に言い聞かせるしかないわね……」
アイリスも苦笑した。
三人は恐る恐る入口へ近づいていく。
すると、制服姿のホテルスタッフが笑顔で歩み寄ってきた。
「ようこそ、お越しくださいました」
丁寧に一礼すると、スタッフはレインが抱えている衣装箱へ目を向ける。
「お荷物、お持ちいたします」
「ひぃー!」
レインは思わず衣装箱をぎゅっと抱きしめた。
「レイン、大丈夫よ!」
「荷物を運んでくれるだけだ」
アイリスとナイトがすぐに声をかける。
ホテルスタッフは、そんなレインを見ても慌てることなく、穏やかな笑顔を浮かべていた。
「ご安心ください。本日は王城からのお客様として、お待ちしておりました」
「そ、そうなんですね……」
レインはようやく少しだけ力を抜いた。
王城からの正式な招待……。
その言葉を改めて聞かされると、ここが本当に自分たちのために用意された場所なのだと実感する。
「じゃあ……入ろっか」
「そうね」
「ああ」
三人は顔を見合わせる。
そして、豪華なホテルの中へ足を踏み入れた。
王都カルディアでの一夜が、いよいよ始まる。
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この作品は不定期で投稿してます。
※本作の作中に挿入されている画像は、AI生成によるイメージイラストです。




