↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔王予報のお時間です〜午前中は魔王が暴れるでしょう。午後には討伐され絶好のスローライフ日和になるでしょう〜  作者: さば味リン
2章 承

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
62/147

第61回「馬車の車窓から」

※本作は「小説家になろう」と「カクヨム」に重複投稿しています。

朝――。

ホミラタウンの街を、一台の馬車がゆっくりと走り出した。


目的地は王都カルディア――。

レインたちは、カルディア王国からの招待を受け、感謝状授与式へ向かっていた。


馬車の中では、レインが嬉しそうにしている。

「まさかねっ! 王国に呼ばれるなんてねっ!」


その隣で、アイリスが苦笑する。

「喜びすぎだって」


ナイトも呆れたように言った。

「感謝状をもらうだけだぞ? 謁見と勘違いしてないか?」


レインが目を丸くする。

「え? 国王さま直々に渡してくれるとかは?」


「んなわけあるかっ!」

「えぇー!」

レインが残念そうな声を上げる。


アイリスは笑いながら肩をすくめた。

「まあ、お姫さまあたりが渡してくれるのでは?」


「えっ! お姫さま?」

レインの目が、きらきらと輝いた。


そんなレインの足元には、大きな衣装箱が置かれていた。

中に入っているのは、今回の式典で着るための正装。

配信ギルドが、レインたちのために貸してくれたものだった。


レインは箱に手を添える。

そして――。


すりすり……。

大切そうに箱を撫でる。

「この衣装を着て、お姫さまから感謝状か」


アイリスはすぐに釘を刺した。

「まだ決まってないからね?」


「えー……」

レインが少しだけ肩を落とす。


そんな三人のやり取りを乗せて、馬車は街道を進んでいく。


ガタゴト……。

ガタゴト……。


車輪が道を踏むたび、馬車が小さく揺れる。

窓の外には、広い草原がどこまでも続いていた。


遠くには牧場も見える。

のどかな風景。


そんな車窓を眺めていたレインが、突然顔を上げた。

そして、笑顔で宣言する。

「よーし! 特別配信、馬車の車窓から!」


「分かった!」

ナイトはすぐに女神のカメラを構えた。


そして、ゆっくりと車窓へ向ける。


魔法配信端末の画面に映し出されたのは、王都へ続く街道と、その周囲に広がる穏やかな風景だった。


今回も、突発的に始まった配信。


しかし――。

いつもの魔王予報ではない。

レインたちは最近、少し気にしていた。


魔王予報の配信ばかりを続けていると、視聴者が配信開始のたびに身構えてしまうのだ。


『配信が始まった!』

『魔王か!?』


そんなコメントが毎回のように流れる……。


レインは少し困ったように笑った。

「ビクビクされるのは嫌だしね」


アイリスも頷く。

「だから、こういうほのぼの配信も大事なの」


魔王が出てこない配信。

ただ景色を眺めるだけの配信。


そんな時間も、レインたちにとっては大切なものだった。


コメント欄にも、穏やかな言葉が流れていく。

『景色きれい!』

『癒やされるなぁ』

『今日は魔王予報じゃないんだね』


レインはコメントを見て、嬉しそうに笑う。

そして、窓の外を指差した。


「皆さん、ご覧くださーい!」

「馬車の車窓からっ!」


カメラが景色を捉える。

風に揺れる草原。


街道の向こうに広がる牧場。

その中を、牛の群れがゆっくりと歩いている。


「こういう景色って、落ち着きますよねっ」


レインがのんびりと眺めていると、アイリスが思い出したように口を開いた。

「そういえば私たち、王都から呼ばれてね?」

「感謝状をもらえるのよね」


レインも嬉しそうに話す。

「あ、そうなんだよねー!」

「だから今、王都へ向かってまーす!」


今回の旅の目的も、視聴者へしっかりと伝える。

コメント欄が一気に賑わった。

『おめでとう!』

『感謝状、すごい!』

『応援してる!』


レインは画面を見つめ、嬉しそうに笑った。

「ありがとう!」


その声は、いつもの明るいレインのものだった。


馬車の車窓から眺める、のどかな景色。

馬車は今日ものんびりと揺れながら、王都への道を進んでいく。


穏やかな旅路もまた――。

レインたちらしい配信のひとつだった。

読んでくれてありがとうございます!

この作品は不定期で投稿してます。


※本作の作中に挿入されている画像は、AI生成によるイメージイラストです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。