第60回「王国からの招待」
※本作は「小説家になろう」と「カクヨム」に重複投稿しています。
――ホミラタウンの街、配信者ギルド。
今日のレインたちは配信者ギルドに来ていた。
天気予報の配信による、収益の受け取りだ。
三人が受付へ向かうと、いつもの受付嬢が笑顔で迎えてくれる。
「お待ちしておりました」
そう言って、受付嬢は一枚の明細と、収益の入った袋を差し出した。
「今月分の配信収益です」
レインは明細を受け取る。
そして――。
目を丸くした。
「今月の収益、凄い!」
受付嬢は、ふふっと笑う。
「良かったですね」
アイリスも横から明細を覗き込む。
「登録者も2000人かぁ」
そして、嬉しそうに笑った。
「増えたわねー」
ナイトは収益の入った袋を手に取る。
中身を確認すると、少し驚いたように呟いた。
「銀貨三十枚か……」
そして、しみじみと続ける。
「破格だな」
「うん!」
レインも嬉しそうに頷く。
「一人十枚!」
アイリスは明細を見つめながら、胸に手を当てた。
「嬉しくて泣けてくるわぁ」
「先月は大銅貨3枚だもんね」
レインがそう言うと、三人ともこれまでのことを思い出す。
最初は、ほんのわずかな視聴者しかいなかった。
それでも毎日配信を続けてきた。
天気予報を届けて。
魔王の出現を知らせて。
時には戦場から配信して。
そして今では――。
2000人もの人々が、レインたちの配信を見ている。
ナイトは収益の入った袋を大切そうにしまった。
「それだけ、皆のためになっているということだな」
レインは力強く頷く。
「うん!」
少し考えるように首を傾げる。
そして、すぐに笑顔になった。
「でも、お天気配信は続けるよっ!」
ナイトは思わず笑った。
「ははっ! 当然だな」
アイリスも頷く。
「魔王予報だけじゃなくて、毎日の天気予報も、みんなの生活には欠かせないからね」
「明日も、いつも通り朝から配信!」
レインが元気よく宣言する。
収益を受け取ったレインたちは、受付を後にしようとしていた。
その時だった――。
「レインさんたちに、王国からお話が来ていますね」
受付嬢に呼び止められる。
「え?」
アイリスが振り返る。
レインは少し固まった。
「……あたしたち、捕まるの?」
「なんでだよっ!」
ナイトが思わず突っ込む。
アイリスも、ぷっと吹き出した。
「何か悪いことした?」
「してない……はず!」
レインが考え込む。
受付嬢は小さく笑った。
「ふふっ」
そして、安心させるように続ける。
「どうやら、感謝状をお渡ししたいそうですよ」
「あ!」
レインの表情がぱっと明るくなる。
「そっちかー!」
「うん。良いんじゃない?」
アイリスも笑顔になる。
ナイトも頷いた。
「悪い話ではないな」
受付嬢は机の上から書類を取り出す。
「では、お返事はどうしますか?」
「こちらから王国へお伝えしておきますよ」
レインは迷うことなく答えた。
「お願いします!」
「承知しました」
受付嬢は書類を受け取る。
これで、王国への返事も配信者ギルドを通して行われることになった。
配信者ギルドは、配信者を登録・管理するだけの場所ではない。
配信に関する依頼を受け付けたり、招待状を届けたり。
時には、配信者と王国や各機関との連絡を取り次ぐこともある。
特に、顔を出さずに活動する配信者にとっては、大切な窓口だった。
ナイトが感心したように言う。
「こういう対応までしてくれるのは助かるな」
アイリスも頷く。
「安心して配信に集中できるものね」
レインは嬉しそうに拳を握った。
「よーし!」
そして、元気よく宣言する。
「今度は王国だ!」
王国からの招待――。
これまで魔王予報を通じて世界へ情報を届けてきたレインたちにとって、新たな出会いの始まりだった。
三人はこれから待っている出来事を楽しみにしながら、配信者ギルドを後にした。
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この作品は不定期で投稿してます。
※本作の作中に挿入されている画像は、AI生成によるイメージイラストです。




