↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔王予報のお時間です〜午前中は魔王が暴れるでしょう。午後には討伐され絶好のスローライフ日和になるでしょう〜  作者: さば味リン
2章 承

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
56/147

第55回「被害は小さくない」

※本作は「小説家になろう」と「カクヨム」に重複投稿しています。

魔王3号は、勇者アルスたちによって討伐された。

その知らせは、瞬く間に世界中へ広がっていった。


魔王討伐――。

人々は、勇者たちの勝利を喜んだ。


「勇者が魔王を倒したぞ!」

「騎士団も一緒だったらしい!」

「やったんだ!」


街には歓声が上がる。

誰もが、魔王が倒されたことを喜んでいた。


しかし――。

その勝利の裏側には、大きな代償が残されていた。

カルディア王国の発表によると……。


死者、多数。

負傷者、多数。


街には、戦いによって壊された建物も残っている。

そして、救護所には次々と負傷者が運び込まれていた。


「次の方を!」

聖女カタリナは、休むことなく治療を続けていた。


杖を掲げる――。

柔らかな光が広がり、負傷者の身体を包み込んでいく。

カタリナは疲れた身体を押して、次の患者へ向かう。


一人。

また一人。

回復魔法によって、多くの命が救われていく。


けれど――。

どれだけ強い回復魔法でも、すべてを救えるわけではない。

失われた命を、取り戻すことはできない。


救護所の外……。

そこには、家族の帰りを待つ人々の姿があった。

誰かの名前を呼びながら、涙を流す者。

ただ静かに、俯いている者。


そして――。

もう二度と帰ってこない家族を思い、声を押し殺して泣く者。


魔王は倒され、勇者たちは勝利した。

それでも、戦いが終わっただけで、すべてが元に戻るわけではない。


壊れた家。

傷ついた人々。

そして、心に残った深い傷。


それらを元に戻すには、これから長い時間が必要になる。


夕暮れ――。

戦場だった場所には、まだ多くの人々が残っていた。


◇


王国からの討伐報告――。

ホミラタウンにいるレインたちも静かに受け止めていた。


魔法通信端末の画面には、被害状況が映し出されている。


レインは何も言わなかった。

ただ、画面を見つめていた。


しばらくして、アイリスが静かに口を開く。

「被害は、小さくありませんでしたね」


ナイトも画面を見つめたまま答える。

「だからこそ、予報には価値がある」


レインは小さく頷いた。


魔王が現れることを知らせる。

それだけで、すべての被害をなくせるわけではない。


それでも――。

事前に知ることができれば、避難できる人がいる。


レインは両手をぎゅっと握った。

「もっと早く、もっと正確に伝えられるようになりたい」


その声には、いつもの明るさとは違う強い意志が込められていた。

読んでくれてありがとうございます!

この作品は不定期で投稿してます。


※本作の作中に挿入されている画像は、AI生成によるイメージイラストです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。