第46回「密かに酒盛り」
※本作は「小説家になろう」と「カクヨム」に重複投稿しています。
――ユノハナタウン。
その日の夕方……。
レインたちは温泉に来ていた……。
「はぁ~~……」
レインが湯船に肩まで浸かる。
「生き返るぅ~」
「やっぱり温泉街の温泉は最高ね」
アイリスも気持ちよさそうに目を細めた。
二人は何も考えず、しばらく湯船につかっていた。
魔王との戦い。
魔物の大群。
冒険者たちとの共闘。
町長との話。
今日は本当にいろいろあった。
だからこそ――。
今は、ただ温泉が気持ちよかった。
◇
そして……湯上がり。
レインは食堂の前で、冷えたフルーツ牛乳を手に取った。
瓶を口に運ぶ。
ゴクッ。
「……」
そして――。
「あぁー!」
レインが瓶を掲げる。
「うまーい!」
その様子を見て、アイリスが笑う。
「こういうのこそ、配信すべきじゃない?」
「あっ、確かに!」
レインの目が輝いた。
「今度やろう!」
ナイトは苦笑する。
「温泉レポート配信か」
「それ、楽しそう!」
レインはすっかり乗り気だった。
「温泉入ってー、フルーツ牛乳飲んでー、ご飯食べてー!」
「それ、ただの旅行じゃないか?」
ナイトが言う。
「こういうのでいいんだよ!」
レインは笑った。
三人は笑いながら、食事処へ向かった。
そして夜……。
食事処の一角。
三人だけの小さな打ち上げが始まった。
レインが木のジョッキを手に取る。
「今日は静かに飲む!」
アイリスもジョッキを持ち上げた。
「そうそう、今日は頑張ったもの」
ナイトもジョッキを掲げる。
「酒がうまいわ」
三人は軽くジョッキを合わせた。
カチン。
小さな乾杯の音。
穏やかな時間が流れていく。
そこに……。
別の席で盛り上がっている冒険者たち。
遠くから笑い声が聞こえてきた……。
「冒険者さんたち、向こうで酒盛りしてるんだろうね」
レインが料理をつまみながら言う。
「冒険者たちは主役だからな」
ナイトが答える。
「思い切り楽しんでもらいましょう」
アイリスも微笑んだ。
しばらく三人で料理を楽しんでいると、レインがふと思い出したように顔を上げる。
「ところで……」
「ん?」
アイリスが振り向く。
レインは首をかしげた。
「魔王の魔石、どこ行った?」
「……」
アイリスも首をかしげる。
「さあ?」
少し考えてから、答えた。
「誰かが回収したのかもしれないわね」
ナイトは酒を一口飲んでから、静かに言った。
「街の復興に使うんじゃないか?」
「街の復興……」
レインは少し考える。
そして、すぐに笑顔になった。
「それなら、それで!」
「街のためになるなら、いい!」
三人は再びジョッキを合わせる。
カチン。
静かな乾杯の音が、温泉街の夜に優しく響いた。
大きな戦いを終えた街の片隅で。
三人は誰にも邪魔されることなく、密かに酒を楽しんでいた。
読んでくれてありがとうございます!
この作品は不定期で投稿してます。
※本作の作中に挿入されている画像は、AI生成によるイメージイラストです。




