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魔王予報のお時間です〜午前中は魔王が暴れるでしょう。午後には討伐され絶好のスローライフ日和になるでしょう〜  作者: さば味リン
1章 起

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第45回「町長の謝罪」

※本作は「小説家になろう」と「カクヨム」に重複投稿しています。

――ユノハナタウンの広場。


統率の魔王が消滅したあとも、街にはまだ多くの魔物が残っていた。


そして――。

最後の戦いが続いていた。


冒険者が剣を構える。

目の前には、一匹のゴブリン。


「終わりだっ!」


冒険者が剣を振り抜く。

ズバッ!


最後の魔物、ゴブリンは倒された……。


静寂が戻る……。

冒険者たちは、互いの顔を見合わせた。

誰もが疲れ切っている。


それでも――。


「勝ったぞー!!」

誰かが叫んだ。


その声をきっかけに、街中から歓声が上がる。

「やったぞー!」

「魔王を倒したぞ!」

「街は助かった!」


その様子を、ナイトは女神のカメラで映していた。


やがて、カメラがレインへ向けられる。

レインは笑顔でうなずいた。


「皆さん、ご覧いただきありがとうございました!」

明るい声が、魔法通信を通して世界中へ届けられる。


「ユノハナタウンの魔王と魔物は、すべて討伐されました!」


コメント欄には、祝福の言葉が次々と流れていく。

『やったー!』

『助かった!』

『レインさん、ありがとう!』

『冒険者の皆さんもお疲れさま!』


アイリスもカメラへ向かって話し始めた。

「今回の魔王2号は、統率の魔王でした」

「魔物たちを従える、とても危険な魔王でしたね」


レインが続ける。

「幸い、冒険者の皆さんも、街の人たちも、観光客の皆さんも、死者はいないそうです」

「けがをされた方も、治癒魔法ですでに回復されたそうです」


レインは、ほっとしたように微笑んだ。

「本当に良かったです」


そして、カメラへ向かって手を振る。


「では、いったん配信を終わります!」

「また次回、お会いしましょう!」


ナイトが女神のカメラを止める。

「オッケー!」


そして、大きく息を吐いた。

「お疲れ!」

「お疲れさまー!」


アイリスも両手を上げて、大きく伸びをする。

「また温泉に入りたいわね」


「いいね!」

レインも笑顔になる。


ナイトも頷いた。

「今度こそ、ゆっくり入れるな」


三人が笑い合っていると……。


「レインさん」

後ろから声がかかった。


三人が振り返る。


そこに立っていたのは、ユノハナタウンの町長だった。

その隣には副町長と、町の職員たちもいる。


「えっ?」

レインが目を丸くする。


町長は三人の前まで歩み寄った。

そして――。

深々と頭を下げた。


「えぇっ!?」

レインが慌てる。


町長は顔を伏せたまま、静かに名乗った。

「私は、ユノハナタウン町長です」


「あ、この度は大変でした!」

レインが頭を下げ返そうとすると、町長はゆっくりと首を振った。


「いえ……」

そして、顔を上げる。

「謝罪させてください」


「謝罪……ですか?」

レインが首をかしげる。


町長は、ゆっくりと言葉を続けた。

「私は、あなたの魔王予報を最後まで信じ切ることができませんでした」


レインは黙って町長を見る。

「王都へ騎士団を要請することも、見送りました」


町長の表情には、悔しさが浮かんでいた。

「もし、もっと早く信じていれば……」

「もっと安全に街を守れたかもしれません」


町長は、もう一度深々と頭を下げた。

「申し訳ありませんでした」


「頭を上げてください!」

レインが慌てて手を振る。


町長はゆっくりと顔を上げた。


レインは、優しく微笑んだ。

「町長さんは、何もしなかったわけじゃありません」

「……」

「冒険者の皆さんを集めてくれました」


レインは、先ほどまで戦っていた冒険者たちへ視線を向ける。


「私たちだけじゃ、あの魔物の大群には勝てませんでした」

「……そう、ですな」


「冒険者の皆さんがいたから、勝てたんです」


レインは町長を見る。

「皆で守った街です」

「だから、謝らないでください」


町長の表情から、張り詰めていたものが少しずつほどけていく。

そして――。


「……ありがとうございます」

深く頭を下げた。


レインは少し照れくさそうに笑う。

「それに……」


レインは、いつもの明るい表情で続けた。

「魔王予報は……魔王は来ない方が一番いいんです」


町長は黙って聞いている。

「でも、来るかもしれないなら、私はこれからも伝え続けます」


その言葉を聞いて、町長は力強く頷いた。

「ユノハナタウンは、これからあなたの魔王予報を信頼します」


温泉街に、穏やかな風が吹き抜ける。

戦いの跡は、まだ街のあちこちに残っている。


それでも――。

人々の顔には、笑顔が戻り始めていた。


この日……。


ユノハナタウンの人々は初めて、魔王予報士レインという存在を、本当の意味で受け入れたのだった。

読んでくれてありがとうございます!

この作品は不定期で投稿してます。


※本作の作中に挿入されている画像は、AI生成によるイメージイラストです。

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