第43回「みんなで討つ」
※本作は「小説家になろう」と「カクヨム」に重複投稿しています。
――ユノハナタウンの広場。
統率の魔王を討つための、最後の戦いが始まろうとしていた。
魔物の群れを押し返す冒険者たち。
その後方では、レインが神ナリの剣を構えている。
刀身には、青白い雷光が集まり続けていた。
ナイトが戦場を見渡し、叫ぶ。
「アイリス! レインに強化だ!」
「分かった!」
アイリスが女神の杖を掲げる。
杖が黄金色に輝いた。
「身体強化!」
光がレインを包み込む。
「視覚強化!」
さらに光が重なる。
「筋力強化!」
三つの強化魔法が、レインの身体へ一気に宿った。
レインは自分の身体を軽く動かす。
「ありがとう!」
その瞬間だった……。
「ギャアッ!」
一体のゴブリンが、アイリスへ飛びかかってきた。
ナイトがすぐに動く。
「邪魔すんな!」
ガキィィン!!
女神のカメラを盾のように振るい、ゴブリンの攻撃を弾き飛ばす。
ゴブリンはそのまま地面を転がっていった。
「ナイト、ありがとう!」
アイリスが礼を言う。
ナイトは前を見据えたまま答えた。
そして、短く続ける。
「ああ……アイリスとレインは、俺が守るからな!」
レインが思わず振り向いた。
「あれ? 今、告白された?」
アイリスは、くすっと笑った。
そして、さらりと答える。
「うん、一生守るなら、告白ね」
ナイトが慌てて振り返る。
「何言ってんだ! 戦いに集中しろっ!」
コメント欄が、一気に盛り上がった。
『今の聞いた!?』
『ナイトさん!?』
『戦闘中だぞ!』
『後で続きを聞かせてくれー!』
『魔王より気になるんだけど!』
戦場の緊張感とは裏腹に、コメント欄だけは妙な盛り上がりを見せていた。
しかし――。
そんなやり取りをしている間も、神ナリの剣には雷光が集まり続けていた。
バチッ。
バチバチッ。
そして、ついに――。
レインが剣を握り直す。
「チャージ完了!」
目の前では――。
冒険者たちが必死に魔物を食い止めていた。
ゴブリンやオーク、ワイルドボア。
だが、冒険者たちは退かない。
一人。
また一人。
魔物を押さえ込み、魔王へ続く道を作っていく。
そして――。
一瞬だけ、道が開いた。
レインの前から、魔王までの一本道が現れる。
「障害なし!」
レインは深く息を吸った。
神ナリの剣を構える――。
「魔王予報士、レイン!」
地面を蹴り、一気に駆け出した。
青白い雷光が、戦場を駆け抜ける。
一直線……。
狙うのは、ただ一体――統率の魔王。
レインは魔王の懐へ飛び込む。
そして、神ナリの剣を大きく振り抜いた。
「神ナリ一閃!!」
ズバァァァッ!!
統率の魔王の身体が、真っ二つになる。
「グワ……」
魔王の身体から力が抜ける……。
膝から崩れ落ちる……。
ズゥン……シュウゥゥー……。
その身体は紫色の煙へと変わり、空へ消えていった。
残されたのは――。
コロンと地面に転がる、一つの巨大な魔石だけだった。
レインはゆっくりと剣を下ろす。
そして、大きく息を吐いた。
「はぁ……終わったぁ……」
目の前に、もう魔王はいない。
レインは魔石を見つめる。
「統率の魔王……」
そして、カメラへ向かって力強く告げた。
「消滅しました!」
その声は、女神のカメラを通して世界中へ響き渡った。
ユノハナタウンを脅かした統率の魔王。
その魔王は――。
魔王予報士レイン、アイリス、そしてナイト。
そして、街を守るために戦った冒険者たちによって、討ち取られた。
読んでくれてありがとうございます!
この作品は不定期で投稿してます。
※本作の作中に挿入されている画像は、AI生成によるイメージイラストです。




