第42回「アイリスの力」
※本作は「小説家になろう」と「カクヨム」に重複投稿しています。
――ユノハナタウンの広場。
統率の魔王が率いる魔物の群れに、冒険者たちは押され続けていた。
ゴブリンやオーク、ワイルドボア。
どの魔物も、魔王2号から放たれる紫色の魔力によって強化されている。
「くっ!」
冒険者が攻撃を受け止める。
しかし、その腕は大きく押し込まれた。
「押し返せない!」
別の冒険者も、必死に剣を振る。
それでも魔物の勢いは止まらない。
その時だった……。
アイリスが、一歩前へ出る。
女神の杖を握りしめ、冒険者たちへ声を張った。
「冒険者の皆さん!」
戦場に、アイリスの声が響く。
「私が強化魔法をかけます!」
「こちらへ来てください!」
冒険者たちが振り返った。
「おおっ!」
「マジか!」
戦っていた冒険者たちが、次々とアイリスのもとへ集まってくる。
アイリスは女神の杖を高く掲げた。
杖の先から、淡い金色の光が溢れ出す。
「身体強化!」
光が広がり、集まった冒険者たちを包み込んでいく。
さらに――。
「視覚強化!」
新たな魔力が戦場へ広がる。
そして、最後に。
「筋力強化!」
三つの強化魔法が、ほぼ同時に発動した。
金色の光が、何十人もの冒険者を包み込む。
本来なら、一人にかけるだけでも大きな魔力を消費する強化魔法。
それを――。
一度に何十人もの冒険者へ。
まさに規格外の魔法だった。
その力を支えているのは、女神から授かった一本の杖。
冒険者の一人が拳を握る。
「なんだ、この力!」
身体の奥から、力が湧き上がってくる。
別の冒険者が剣を振る。
「身体が軽い!」
視界も、先ほどまでとはまるで違う。
魔物の動きが、はっきりと見える。
「これなら戦える!」
冒険者たちは、再び前へ出た。
「行くぞ!」
ゴブリンを斬り伏せる。
「押し返せ!」
オークを押し返す。
「止めろ!」
ワイルドボアの突進を受け止める。
戦場の流れが、少しずつ変わっていく。
本当に少しずつ。
確実に……。
冒険者たちは、魔物の群れを押し返し始めていた。
レインの表情が明るくなる。
「冒険者さんたちが頑張ってる!」
目の前にあった魔物の壁に、少しずつ隙間が生まれていく。
「これなら、チャンスがあるかも!」
ナイトは女神のカメラを構えたまま、戦場全体を見渡していた。
そして……静かに頷く。
「よし」
ナイトがレインを見る。
「今だ」
「神ナリの剣をチャージしろ!」
レインは力強く頷いた。
「分かった!」
レインは神ナリの剣を胸の前で構える。
すると――。
刀身に、青白い雷光が集まり始めた。
バチッ。
小さな雷が剣を走る。
バチバチッ。
さらに強く……。
魔力が、雷へと変わっていく。
その先にいるのは――。
魔物たちの奥に立つ、統率の魔王。
決戦の時が、近づいていた。
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この作品は不定期で投稿してます。
※本作の作中に挿入されている画像は、AI生成によるイメージイラストです。




