第37回「温泉に入る」
※本作は「小説家になろう」と「カクヨム」に重複投稿しています。
――ユノハナタウン。
街に着いたレインたち……。
長旅の疲れを癒やすため、街にある温泉施設へ向かった。
入口をくぐると、そこには広々とした休憩所と、男女それぞれの浴場へ続く案内があった。
「よーし! まずは温泉だー!」
疲れなど感じさせない様子で、レインが元気よく歩き出す。
レインとアイリスは女湯へ。
ナイトは男湯へ。
三人はそれぞれの浴場へ向かっていった。
――女湯。
湯けむりが立ち上る、広い湯船。
レインは身体を洗い終えると、ゆっくりと湯の中へ入っていく。
肩まで浸かった瞬間。
「はぁ~~~~……」
思わず、大きなため息が漏れた。
「生き返るぅ~」
その隣で、アイリスも静かに湯へ浸かる。
「やっぱり温泉はいいわね」
「五日ぶりのお風呂だもん」
レインは湯船の中で足を伸ばす。
「毎日クリーン魔法はかけてたけど、温泉は別ね」
「うんうん!」
レインは嬉しそうに頷いた。
「全然違う!」
二人は湯に身体を預けながら、しばらく何もせずに温泉を楽しんだ。
旅の途中では、なかなか味わえなかったゆっくりとした時間。
レインは目を細める。
「このまま一日中入ってたいなぁ」
「のぼせるわよ」
「それは困る」
レインは少しだけ姿勢を正した。
その様子がおかしくて、アイリスが笑う。
レインもつられて笑った。
――男湯。
ナイトも肩まで湯に浸かり、大きく息を吐いた。
「ふぅ……」
長旅で凝り固まった身体から、力が抜けていく。
「やっぱ温泉は最高だ」
広い湯船には、ナイト一人。
湯けむりの向こうには静かな温泉街が広がっている。
しばらく何も考えず、ただ湯に浸かる。
やがてナイトは、ぽつりと呟いた。
「この平和が続けばいいんだけどな」
その声は、湯けむりの中へ静かに消えていった。
――しばらくして。
温泉を出た三人は、宿のロビーで合流した。
レインの髪は湯上がりで少ししっとりしている。
「気持ち良かったぁ!」
すっかり調子を取り戻したレインを見て、アイリスが笑う。
「もう大丈夫そうね」
「腰が痛いって騒いでた人とは思えないな」
ナイトも呆れたように笑う。
レインは胸を張った。
「温泉、最強!」
三人は顔を見合わせ、笑い合った。
その後、レインは温泉施設の窓から湯けむりの向こうに広がる街並みを眺める。
温泉宿や土産物屋、通りを歩く人々。
そして、穏やかな街の景色。
レインは、少しだけ表情を変えた。
「……この街も、ちゃんと守らなきゃね」
その言葉に、アイリスとナイトも静かに頷く。
まだ魔王は現れていない。
今はこの平和な時間を守りたいと思った。
読んでくれてありがとうございます!
この作品は不定期で投稿してます。
※本作の作中に挿入されている画像は、AI生成によるイメージイラストです。




