第24回「配信ギルド」
※本作は「小説家になろう」と「カクヨム」に重複投稿しています。
ホミラタウンの中央区――。
大通りに面して、ひときわ立派な建物が建っていた。
入口には大きな看板が掲げられている。
――「配信者ギルド」。
配信者の身元を登録し、魔法通信の利用を許可・管理する、世界中立の機関。
冒険者ギルドと並ぶ、公的な組織である。
この世界では、魔法端末さえ持っていれば、誰でもお気に入りの配信者のチャンネルを視聴できる。
レインたちは自動扉をくぐり、受付へと向かった。
「こんにちはー!」
「いらっしゃいませ!」
受付嬢が笑顔で三人を迎える。
レインはさっそくバッグを開くと、中から紫色の魔石を取り出した。
「この魔石を、プレゼント企画で管理してほしいんですけど……」
「承知しました」
受付嬢は魔石を受け取ると、手元の魔法端末へ目を向けた。
「では、ギルドカードのご提示をお願いします」
「はい!」
レインは一枚のカードを差し出す。
受付嬢はカードの内容を確認しながら、魔法端末へプレゼントの情報を登録していく。
やがて登録が完了すると、受付嬢は顔を上げた。
「確認できました。こちらの魔石は、本日より配信者ギルド管理となります」
「お願いします!」
レインは安心したように頷いた。
続いて、受付嬢が抽選について確認する。
「抽選方法は、どうされますか?」
レインは少し考えるように首を傾げ、それから笑顔で続けた。
「標準のやつで! 登録してくれて、コメントをくれた人の中から選ぶ感じで!」
「締め切りは?」
「一週間くらいかなっ!」
「かしこまりました。こちらで手続きしておきますね」
「はい! お願いしまーす!」
受付嬢は魔石を専用のケースへ入れ、大切そうに収めた。
これで、魔王1号の魔石は正式に配信者ギルドの管理下に置かれた。
そして……。
受付嬢が、ケースの中の紫色の魔石を見つめながら、ぽつりと呟く。
「それにしても……」
少しだけ驚いたような表情になる。
「魔王の魔石ですか。すごいですね」
「え?」
レインが目を丸くする。
すると受付嬢は、少し照れたように笑った。
「見てましたよ……」
その言葉に、レインの表情がぱっと明るくなる。
「……昨日の配信」
「そっか!」
レインは嬉しそうに目を輝かせた。
「やったー!」
隣ではアイリスも、嬉しそうに微笑んでいる。
ナイトは腕を組み、満足そうに頷いた。
受付嬢はそんな三人を見ながら、さらに笑顔を浮かべた。
「私もチャンネル登録しました。当たるといいなぁ」
レインは胸を張るように笑う。
「はっはー! そうですねー!」
受付に、四人の笑い声が響いた。
まだ、大きな出来事ではない。
世界中の誰もが知っているわけでもない。
けれど――。
少しずつ。
本当に少しずつ。
『魔王予報のお時間です』は、世界へ広がり始めていた。
読んでくれてありがとうございます!
この作品は不定期で投稿してます。




