↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔王予報のお時間です〜午前中は魔王が暴れるでしょう。午後には討伐され絶好のスローライフ日和になるでしょう〜  作者: さば味リン
1章 起

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
15/147

【改稿】第14回「真夜中のレトルトカレー」

静まり返った深夜――。

パチパチと焚き火が爆ぜる音だけが響く湖畔で、ナイトは真夜中の見張りを担当していた。


しかし……ナイトの脳裏には夕食の光景が離れない。


(……くっ、思い出すだけで腹が減ってくる……)


レインのあの満足そうな顔。そして鼻腔に焼き付いて離れないカレーの香り。


葛藤の末、ついに我慢の限界を迎えたナイトは、道具袋からそっとメスティンを取り出した。


「今なら二人は寝てる……バレないはずだ」


手際よく米を炊き上げ、お湯を沸かす。

そして、禁断のアイテム『レトルトカレー』を温めた。


ホカホカに炊き上がった白飯の上に、濃厚で温かいカレールウを一気にかけると――


夜の静寂の中に、あまりにも芳醇で、あまりにも暴力的なスパイスの香りが解き放たれる。


ナイトがスプーンを手に取り、まさに一口目を口へ運ぼうとしたその瞬間――。


バ(・)ッ(・)と勢いよくテントの幕が開いた。


「……カレー食べてるの、バレバレなんだよっ!!」


スプーンを口元で止めたまま固まるナイトに、レインがジト目で詰め寄る。


「まさか、夕食をパンで済ませたのは、真夜中にカレー食べるつもりだったの?」


アイリスもテントから顔を出し、呆れ半分、うらやましさ半分といった表情で言葉を重ねた。


「そうよナイト……一人で食べるなんてズ(・)ル(・)い(・)じゃない?」


ナイトはゆっくりとスプーンを下ろすと、深々とため息をつく。


「……お前ら、起きるのが早すぎるだろう……」


「あんなカレーの匂いがテントに入ってきたら、死んでたって起きるでしょっ!」

レインの魂の叫びに、ナイトは観念する。


ナイトは道具袋から予備のスプーンを二本取り出す。

「悪かった……みんなで食べよう」


結局、真夜中の暗闇の中、それぞれのお皿にカレーが三等分される。


「外で食べる、真夜中のカレーは神がかってウマ―い!」

「……ええ、お行儀は良くないかもだけれど、これは……抗えないわね」

「……ふっ、カレーもまた、恐ろしい食料だな」


三人のお腹を満たすスパイスの香りと小さな笑い声――。

夜の森中に静かに溶けていくのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。