第140話「絶対に来るよ」
※本作は「小説家になろう」と「カクヨム」に重複投稿しています。
稲刈りの翌日――。
コメライス村の田んぼには、短く刈られた稲の切り株が並んでいた。
黄金色だった田んぼは、すっかり秋の景色になっている。その端には稲架が並び、刈り取った稲が掛けられていた。
レインは田んぼを見つめる。
「……終わったね」
アイリスが頷く。
「ええ。無事に終わったわね」
レインは少し寂しそうに笑った。
「なんだか、ちょっと寂しいな」
すると、ヒナタが稲架を指差す。
「でも、お米になったよ!」
「……そうだね」
レインも笑った。
コシヒコが稲架を見る。
「まぁ、まだ仕事は残ってるがな」
「え?」
「稲を乾かして、脱穀して、籾摺りをして……最後に精米だ」
レインは目を丸くする。
「お米になるまで、まだまだ大変なんだね」
「農家ってのは、そういうもんだ」
「そっかぁ」
レインは稲架に掛けられた稲を見つめた。
少し離れた場所では、コシオとヒカリも作業を続けている。ヒカリが稲架を見ながら微笑んだ。
「今年は本当に豊作ですね」
「ああ。たくさんの人に食べてもらえそうだ」
その言葉に、レインも嬉しそうに笑った。
「また来年も来ようかな」
コシヒコが笑う――。
「じゃあ、来年も田植えから頼むぞ」
「また絶対に来てね!」
ヒナタが元気よく声をかける。
「うん! 絶対に来るよっ!」
レインたちは、コメライス村を後にした。
◇
馬車が少しずつ村から離れていく。窓から田んぼを眺めていたレインが、ぽつりと呟いた。
「お米、おいしかったなぁ……」
ナイトが呆れたように返す。
「最後までそれかよ」
「ふふっ」
アイリスが笑う。
秋の風が吹き抜ける――。
稲架に掛けられた稲が静かに揺れていた。
今年の収穫は終わった。
そして――、また来年、ここに来る。
コメライス村の秋は穏やかに過ぎていった。
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この作品は不定期で投稿してます。
※本作の作中に挿入されている画像は、AI生成によるイメージイラストです。




