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魔王予報のお時間です〜午前中は魔王が暴れるでしょう。午後には討伐され絶好のスローライフ日和になるでしょう〜  作者: さば味リン
4章 結

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第133回「誰も笑顔にならない」

※本作は「小説家になろう」と「カクヨム」に重複投稿しています。

一人の村人が、深く息をついた――。

「あぁ……」


そのため息は、周囲へと広がっていく。

「はぁ……魔王は倒してくれたけど」


村人は、傷ついた田んぼへ目を向ける。

「これじゃ、稲もダメだぁ……」


別の村人も、青田を見つめた。

「今年の収穫は、厳しいかもしれないな……」


誰も、レインを責めなかった。

怒鳴る者もいない。

恨み言を口にする者もいない。

ただ――。

傷ついた田んぼを見つめ、静かに落胆している。


その表情が。

その沈黙が。

レインの胸に、深く突き刺さっていた。


「……」

コシヒコが、レインを見る。


そして――。

「俺が許可した事だ!」


力強く言った。

「責任は俺にある」


その優しい言葉さえ――。

今のレインには苦しかった。


「……ごめんなさい」


レインは、もう一度、小さく頭を下げる。

アイリスは、そんなレインを見つめていた。

「レイン……」


励まそうとする、けれど――。

言葉が出てこない。

何を言えばいいのか、分からなかった。


ナイトも、静かに立ち尽くしている。

「……」


いつもなら、何かしら声をかける。

しかし今は、何も言えなかった。


レインは俯いたまま歩き出す。

その背中は、いつもの明るいレインとはまるで別人のようだった――。


アイリスが慌てて声をかける。

「待って!」


しかし――。

レインは振り返らない。


村の出口へ向かって。

一歩。

また一歩。

静かに歩いていく。


村人たちは、その後ろ姿を見送っていた。

誰も引き止められなかった。


風が吹く。

傷ついた青田が、寂しそうに揺れる。


「サワサワ……」


レインは唇をかみしめる。

そして――。

小さくつぶやいた。


「……魔王を倒したのに」

足を止める。

「誰も笑顔になれなかった……」


その言葉とともに、レインはしょんぼりと肩を落とした。


いつもなら――。

魔王を倒せば、みんなが笑顔になる。

「やったー!」

「助かった!」

そんな声が聞こえるはずだった。


でも――。

今回は違った。


魔王は倒した。

人々も守った。


それでも――。

守りたかった田んぼを、傷つけてしまった。


いたたまれなくなったレインは――。

そのまま、コメライス村を後にするのだった。

読んでくれてありがとうございます!

この作品は不定期で投稿してます。


※本作の作中に挿入されている画像は、AI生成によるイメージイラストです。

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