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魔王予報のお時間です〜午前中は魔王が暴れるでしょう。午後には討伐され絶好のスローライフ日和になるでしょう〜  作者: さば味リン
4章 結

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第132回「討伐の代償」

※本作は「小説家になろう」と「カクヨム」に重複投稿しています。

レインは蝗害の魔王を倒した――。


魔法通信の画面には、討伐を見届けた視聴者たちから、次々とコメントが流れている。

『すげー!』

『どういう理屈なの?』

『水で神ナリ一閃が伝播した?』

『神ナリ一閃が最強!』

『またレインが魔王を倒したぞ!』

『コメライス村、助かった!』


レインの討伐を絶賛するコメントが、画面を埋め尽くしていく。


しかし――。

レインの顔色は、良くなかった。

視線の先にあるもの。


それは――。

コメライス村の青田だった。

神ナリ一閃の電撃を帯びた衝撃が、雨で水の張った田んぼを駆け抜けた。


その結果――。

黒く焦げる稲。

茶色く変色する葉。

力なく垂れ下がる稲穂。

青々としていたはずの田んぼには、痛々しい跡が残っていた。


「……」

レインは、田んぼを見つめる。


その光景を、村人たちも見つめていた。

誰も責める言葉を口にしない。

それでも――。

その表情は、静かに曇っていた。


コシヒコは、青葉をそっと手に取る。

「……」


葉先は茶色く変色していた。

コシヒコは何も言わず、小さく息をつく。


レインは、神ナリの剣を握ったまま立ち尽くしていた。

「……」


先ほどまでの歓声が、遠くに聞こえる。

『すごかった!』

『レインさん最高!』

そんなコメントとは裏腹に――。


レインの目の前には、傷ついた田んぼが広がっていた。


しばらくして――。

レインは、ゆっくりと頭を下げる。


「ごめんなさい……」


小さな声だった。

誰も答えない。

責める者はいない。

けれど――。

慰める言葉も、すぐには出てこなかった。


ただ、風が吹く。

傷ついた田んぼの稲が、風に揺れている。


サワサワ……。


その音は、どこか寂しそうだった。

レインは顔を上げることができない。


討伐には成功した。

村は守られた。

人々も無事だった。

それは、間違いなく大きな勝利だった。


けれど――。

守りたかった青田は、傷ついてしまった。


魔王を倒すために使った力が。

結果として――、

守ろうとしていた田んぼを傷つけた。


その事実が――。

レインの胸に深く突き刺さった。


そして、この日の勝利は。

レインの心に、小さくない傷跡を残した。

読んでくれてありがとうございます!

この作品は不定期で投稿してます。


※本作の作中に挿入されている画像は、AI生成によるイメージイラストです。

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