第131回「蝗害撃破!」
※本作は「小説家になろう」と「カクヨム」に重複投稿しています。
コシヒコが、村人たちへ声をかける。
「皆、もう少しだけ、堪えてくれ!」
疲れ切った村人たちを見ながら、力強く続ける。
「考えがあるっ!」
レインも空を見ながら叫んだ。
「皆さん!」
「もうすぐ……もうすぐなんです!」
その言葉に、村人たちの表情が変わった。
「そうか!」
「分かった!」
「もうひと頑張りするぞ!」
「守り切れっ!」
村人たちは、再びそれぞれの持ち場へ戻っていく。
風魔法……火魔法……水魔法……。
そして、アミを持って走り回るレイン。
誰もが必死に、バッタの群れを食い止めていた。
そして、しばらくたった頃――。
「ゴロゴロ……」
空の彼方から、雷鳴が聞こえてきた。
「ポッ」
雨粒が、一つ。
「ポッ」
二つ。
「ポッ」
三つ。
レインが目を見開く。
「あっ! 来たっ!」
次の瞬間――。
「ザーッ!」
激しい雨が、一気に降り始めた。
ゲリラ豪雨だ――。
黒いバッタたちの羽が、雨に濡れていく。
バサッ!
バサッ!
空を飛んでいたバッタたちが、次々と地面へ落ちていく。
レインは雨に打たれながら、神ナリの剣を取り出す。
そして――。
チャージを始めた。
「……」
神ナリの剣に、少しずつ光が集まっていく。
その間にも、田んぼの中ではバッタたちが動き続けていた。
飛べなくなっても、稲を食べ続けている――。
ガリガリ……ガリガリ……。
レインは、その光景をじっと見つめていた。
「……」
そして――。
「皆さん!」
レインが声を張り上げる。
「田んぼから離れてください!」
コシヒコが、すぐに村人たちへ指示を飛ばす。
「よし! いったん退避だ!」
村人たちは、一斉に田んぼから離れていく。
コシヒコも最後まで残り、全員が退避したことを確認する。
そして――。
「全員、退避したぞ!」
その瞬間。
レインの手にした神ナリの剣が、強い光を放った。
「……」
チャージ完了――。
レインは神ナリの剣を構える。
そして、レインはコシヒコを見る。
「行くね!」
「頼む!」
レインは、大きく息を吸った。
そして――。
タタッ!
田んぼへ向かって、一気に駆け出す。
「魔王予報士レイン!」
そして――。
「神ナリ一閃っ!」――ズバァァァッ!
神ナリの剣から放たれた電撃が、雨に濡れた田んぼへ走る。
バリバリッ!
バリバリバリッ!
田んぼに張った水を伝って、電撃が一気に広がっていく。
そして――。
落ちたバッタたちへ、次々と電撃が襲いかかる。
バリバリッ!
バリバリッ!
バリバリバリッ!
黒いバッタの群れが、次々と煙になって消えていく。
やがて――。
静かになった。
激しく降り続ける雨。
その雨音だけが、田んぼに響いている。
「ザー……」
誰も、何も言わない。
コシヒコも……村人たちも……。
レインも……。
ただ、田んぼを見つめていた。
そして――。
田んぼの一角から、紫色の煙が静かに立ち上った……その煙が消えていく。
コロッ――。
どこかで、何かが転がる音がした。
アイリスが走り出す。
「魔石あったよー!」
レインが振り向く。
「……!」
魔石――。
そこには、確かに魔王の魔石が落ちていた。
レインは、ゆっくりと神ナリの剣を下ろす。
そして――。
雨の中で、はっきりと告げた。
「蝗害の魔王! 消滅しましたっ!」
その言葉が、魔法通信を通して世界中へ届けられた。
コメライス村の田んぼを襲った、蝗害の魔王。
その長い戦いが、ついに終わった――。
読んでくれてありがとうございます!
この作品は不定期で投稿してます。
※本作の作中に挿入されている画像は、AI生成によるイメージイラストです。




