第130回「イチカバチカ」
※本作は「小説家になろう」と「カクヨム」に重複投稿しています。
アイリス、ナイト、そして、コシヒコ――。
三人は、レインから作戦を聞いていた。
レインは説明を終えると、三人の顔を見る。
「どうかな、この作戦?」
コシヒコは、難しい顔をしていた。
しばらく黙ったまま、作戦の内容を考えている。
やがて――。
ゆっくりと口を開いた。
「それでは……」
コシヒコは、青々とした田んぼを見る。
「蝗害の魔王は倒せても、田んぼが守れない」
「あっ……」
レインの表情が固まる。
そして――。
「そうですよね……」
しょんぼりとうつむいた。
アイリスが心配そうにレインを見る。
「レイン……」
ナイトも黙っている。
コシヒコは、もう一度田んぼへ視線を向けた。
風に揺れる稲。
村人たちが、これまで大切に育ててきた青田。
コシヒコは、しばらく考えていた。
「とはいえ……」
レインが顔を上げる。
「どの道、このままだと終わりなのも分かる」
「……」
「このままでは、田んぼが食い尽くされる」
コシヒコは、黒い群れを見る。
少しずつ。
少しずつ。
青田へ入り込むバッタが増えている。
このまま防ぎ続けても、村人たちの体力には限界がある。マカモたちも、もう退場している。
コシヒコは拳を握った。
「だったら――」
その顔から、迷いが消える。
「イチカバチカ、かけるしかない」
アイリスが心配そうに尋ねる。
「良いんですか? 田んぼが壊れるかもしれません……」
コシヒコは頷いた。
「分かってる」
そして、静かに続ける。
「ここで倒さなければ……魔王はまた移動して他の村を襲う……」
コシヒコは、レインを見る。
「レイン!」
「はいっ!」
レインが顔を上げた。
コシヒコは、力強く頷く。
「その方法で頼む!」
「……!」
レインの目が大きく開く。
そして、力強く頷いた――。
「分かりました!」
レインは神ナリの剣を握る。
「必ず倒します!」
コシヒコは笑った。
「頼んだぞ」
ナイトも女神のカメラを構える。
「よし……」
アイリスも杖を握り直した。
「私たちも全力でサポートするわ」
レインは静かに呟いた。
「絶対に……」
そして、強く拳を握る。
「魔王はここで倒す……」
レインたちは、それぞれの位置についた。
そして――。
一か八かの作戦が、始まろうとしていた。
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この作品は不定期で投稿してます。
※本作の作中に挿入されている画像は、AI生成によるイメージイラストです。




