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魔王予報のお時間です〜午前中は魔王が暴れるでしょう。午後には討伐され絶好のスローライフ日和になるでしょう〜  作者: さば味リン
4章 結

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第122回「守り抜いた田んぼ」

※本作は「小説家になろう」と「カクヨム」に重複投稿しています。

日の出とともに始まった戦い。

それから――。

数時間が経過していた。


勇者たちも……王国騎士団も……。

すでに、かなり消耗していた。


バササササッ!

黒いバッタの群れに、動きが出た。


「……なんだ?」

アルスが空を見上げる。


無数のバッタが、一か所へ集まり始めていた。


「集まってる?」

ミネルバも、その異変を見つめる。


一匹。

また一匹。

次々と黒いバッタが集まり、重なっていく。


そして――。

バサッ!


黒い群れが、人の形へと変化した。

空中に、一体の魔王が現れる。


背中には、大きな羽。

そのシルエットは――。

巨大なバッタを思わせるものだった。


「グギャー!」

魔王23号が、大きな雄叫びを上げる。


その声が、田んぼ一帯に響き渡る。

アルスは聖剣を構えたまま、魔王を見つめる。

「……」


ミネルバが呟いた。

「怒ってる?」


カタリナも魔王の様子を観察する。

「どうやら、そのようですね」


魔王23号が見つめているもの。

それは――。

目の前に広がる青田だった。


自分が食べようとしていた田んぼ。

しかし、勇者たちに邪魔をされ、思うように食べることができない。

魔王23号にとって、それが気に入らないのだ。


「グギャー!」

再び、雄叫びを上げる。


その姿を配信で見ていた視聴者たちも、一斉に反応する。

『効いてる!』

『効いてるぞ!』

『諦めろっ!』

『田んぼは食わせないぞ!』


魔王23号が、さらに大きく叫ぶ。

「グギャー!」


そして――。

バササササッ!

魔王の身体から、無数の黒い影が飛び出した。


アルスが身構える。

「来るぞ!」


しかし――。

黒い影は、勇者たちへ向かってこなかった。

一斉に空へ飛び立っていく。


バサササササッ!

黒い群れが、空高く舞い上がる。


そして――。

スッ。

その姿が、消えた。


アルスが目を見開く。

「……なっ!? どこだっ!」


ミネルバも周囲を見回す。

「また消えたわ!」


カタリナがすぐに指示を出す。

「周囲を探します!」


勇者たちが辺りを見渡す。

空……田んぼ……村の周囲……。


しかし――。

魔王の姿は、どこにもない。


「くそっ!」

アルスが悔しそうに聖剣を握る。


ミネルバも唇を噛んだ。

「また見失った……」


黒いバッタの群れは消える……。

さっきまで激しい戦いを繰り広げた場所。


それが今……。

静かな田んぼだけが残っていた。


◇


カメラスの配信が終わった――。

魔法通信の画面が消える。


レインが、ぽつりと呟く。

「田んぼは守りきった……」


アイリスも頷いた。

「凄いわね!」


今日一日――。

勇者たちも、騎士たちも、必死に戦った。


魔王23号は倒せなかった。

それでも――。

田んぼだけは、守り抜いた。


ナイトは静かに画面を見ながら言った。

「まずは、休戦か」


日が、少しずつ傾いていく。

戦場にも、夕暮れが訪れていた。

やがて空が暗くなる――。


レインは夜空を見上げる。

「夜はお休みの魔王なんだね」


アイリスも頷いた。

「そうみたいね」


ナイトは、少し考える。

「なら、明日が本番だな」


レインは静かに頷いた。


三人は、再びカメラスの配信コメントを確認する。そこには、今日の戦いを見届けた視聴者たちの言葉が並んでいた。


『田んぼを守ったのは評価したい』

『勇者さんたち、よくやった!』

『明日が本番だなっ!』

『何か策を考えて!』

『このままじゃ倒せないぞ!』


レインは、黙ってコメントを見つめる。

「勇者さまたち……この後、どうするんだろう?」


アイリスがレインを見る。

「このままじゃ勝てないわね?」


ナイトも続けた。

「何か策が必要だな」


レインは、しばらく窓の外を眺めた。

コメライス村の青田が、夜の風にそよいでいた。

読んでくれてありがとうございます!

この作品は不定期で投稿してます。


※本作の作中に挿入されている画像は、AI生成によるイメージイラストです。

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