第115回「黒いバッタの正体」
※本作は「小説家になろう」と「カクヨム」に重複投稿しています。
スイゴウ村の青田は全滅していた――。
村人たちは、ただ呆然と田んぼを見つめている。
「……」
「こんなことが……」
誰も、何も言えなかった。
その時だった。
バササササッ!
田んぼに残っていた黒いバッタが、一斉に飛び立った。無数のバッタが空中へ舞い上がる。
バサササー!
黒い影が、ひとつに集まっていく。
「な、なんだ!?」
村人たちが空を見上げる。
無数のバッタが集まり、次第に人のような形を作っていく。
やがて――。
そこに、一体の黒い影が姿を現した。
「ひぃー!」
「バケモノだー!」
村人たちが悲鳴を上げる。
その姿を見た別の村人が、震える声を上げた。
「あれっ!」
「魔王じゃないのかっ!?」
黒い影が、ゆっくりとその姿をはっきりさせていく。
そして――。
「グギャー!」
その雄叫びを聞いた瞬間。
村人たちの顔が青ざめた。
「やっぱり魔王だ!」
間違いない。
そこにいたのは――。
魔王23号だった。
魔王23号は、満足そうに雄叫びを上げている。
まるで――。
田んぼを食べ尽くしたことを、喜んでいるかのようだった。
「王城に通報せねばっ!」
「勇者さまが倒したんじゃなかったのか!?」
村人たちが慌てて叫ぶ。
しかし。
魔王23号は、そんな村人たちには興味を示さなかった。
ゆっくりと身体の向きを変え、次の田んぼへ向かって移動を始める。
「……え?」
村人たちが、その姿を見つめる。
すると。
バササササッ!
魔王23号の身体が、再び無数の黒い影へと分裂した。
一体の魔王が――。
無数の黒いバッタへと変わっていく。
バサバサバサバサ――。
黒い群れが空へ舞い上がる。
次の田んぼを目指して、飛んでいく。
その先にあるのは――。
アサザ村。
そして、そのすぐ隣には――。
コメライス村がある。
黒いバッタの群れは、青空の下を飛んでいった。
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この作品は不定期で投稿してます。
※本作の作中に挿入されている画像は、AI生成によるイメージイラストです。




