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魔王予報のお時間です〜午前中は魔王が暴れるでしょう。午後には討伐され絶好のスローライフ日和になるでしょう〜  作者: さば味リン
4章 結

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第112回「黒い影」

※本作は「小説家になろう」と「カクヨム」に重複投稿しています。

レインが魔王23号を予報してから、数日後。

スイゴウ村付近――。

そこには、勇者アルスたちの姿があった。


勇者アルス。

聖女カタリナ。

賢者ミネルバ。

そして、王国騎士団。


彼らは魔王23号を討伐するため、この場所に来ていた。

そして――。

目の前には、一体の魔王が立っている。


アルスは聖剣を構えた。

「……行くぞ!」

一気に地面を蹴る。


「はぁっ!」

アルスが魔王へ斬りかかった。


ズバッ!

聖剣が魔王の身体を捉える。


「グ……」

魔王がよろめいた。

その直後、異変が起きた――。


魔王の身体から、小さな黒い影が無数に飛び出した。

「なっ……!」

アルスが目を見開く。


黒い影は地面へ落ちると、まるで生き物のように這い始めた。

一つ……二つ……十……。

それどころではない。

無数の黒い影が、周囲へ向かって一斉に散らばっていく。


「何だ、これ……!」

アルスが振り返る。


騎士たちも警戒して剣を構える。

しかし――。

黒い影は、ある程度まで広がると、まるで最初から何もなかったかのように、消えた。


静寂が戻る。

アルスは、魔王がいた場所を見つめた。

そこには――何もない。


「……倒したのか?」

アルスが呟く。


しかし、ミネルバはすぐに首を横に振った。

「待って」

彼女は周囲を確認する。


そして――。

「魔石が出てないわ」

「何?」

アルスが振り返る。


カタリナも魔王が消えた場所を確認する。

「でも……姿もありません」


魔王の身体もない。

魔石もない。

ただ、何もない場所だけが残されている。


アルスは眉をひそめた。

「……どういうことだ?」

「分からないわ」

ミネルバも険しい表情を浮かべる。


カタリナが不安そうに尋ねた。

「消滅した……のでしょうか?」

「魔王なら魔石が残るはずよ」


ミネルバの言葉に、アルスは黙り込む。

やがて――。

アルスは周囲を見渡した。


「全員、周囲を捜索!」


声が響く。

「何か残っていないか調査する!」

「了解!」

王国騎士団が一斉に動き始める。


騎士たちは周辺へ散開し、地面や草むらを調べていく。アルスは、その場から動かなかった。


先ほど黒い影が消えた場所。

そこを、じっと見つめている。

「……何だったんだ?」


答える者はいない。

風が吹く。

草が揺れる。

それだけだった。


その頃――。

遠く離れたコメライス村では。

今日も穏やかな時間が流れていた。


青々とした青田が、朝の風に揺れている。

ヒナタの笑い声が聞こえる。

マカモたちが田んぼを歩いている。


コメライス村には――。

まだ、何も起きていなかった。

読んでくれてありがとうございます!

この作品は不定期で投稿してます。


※本作の作中に挿入されている画像は、AI生成によるイメージイラストです。

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