第109回「空を飛ぶ!」
※本作は「小説家になろう」と「カクヨム」に重複投稿しています。
レインのブランコは、まだ大きく揺れていた。
ギィーン!
ギィーン!
青空の下を、レインの身体が大きく行き来する。
「ふはははーっ!」
レインは楽しそうに笑っていた。
その様子を見上げながら、アイリスが声をかける。
「ちょっと! レインっ!」
「まだ終わりじゃないよっ!」
レインは、さらにブランコの揺れを大きくしていく。
そして――ニヤリと笑った。
レインはブランコの紐をしっかり握り直した。
「フィニッシュいくよっ!」
ナイトがカメラを構えたまま声を上げる。
「よしっ! こいっ!」
「危ないってばっ!」
アイリスが止めようとする。
しかし――。
もう遅かった。
レインは、ブランコが高く上がった瞬間――。
身体を前へ投げ出した。
「空を飛ぶよー! とぉー!」
ふわっ――。
レインの身体が、ブランコから離れる。
一瞬だけ、空中に浮かんだ……。
そして――。
スタッ!
レインは見事に着地した。
「どうだっ!」
胸を張るレイン。
「おぉー! 決まったな!」
ナイトが声を上げる。
「飛んだー!」
ヒナタの目が、キラキラと輝いていた。
レインはビシッとポーズを決める。
「これぞ、ブランコマスターのフィニッシュ!」
魔法通信のコメント欄も大騒ぎだ。
『飛んだー!』
『ブランコからジャンプ!』
『ブランコマスターすげぇ!』
『ヒナタちゃんの目がヤバい!』
『完全に憧れてるじゃん!』
レインはコメントを見て満足そうに笑った。
「ふふっ!」
ヒナタが駆け寄ってくる。
ヒナタは目を輝かせたまま言った。
「もう一回やって!」
「もちろん!」
即答だった。
アイリスはヒナタを見る――。
そして、優しく言い聞かせた。
「……絶対、真似しちゃダメだからね?」
「うん!」
ヒナタは笑顔で返事をした。
素直な返事。
けれど――。
その目は、まだキラキラと輝いていた。
アイリスは、その目を見て――。
何とも言えない表情になった。
青田を渡る風が吹く。
ブランコが、ゆっくりと揺れている。
そして――。
コメライス村の平穏な一日は、まだ続いていくのだった。
読んでくれてありがとうございます!
この作品は不定期で投稿してます。
※本作の作中に挿入されている画像は、AI生成によるイメージイラストです。




