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魔王予報のお時間です〜午前中は魔王が暴れるでしょう。午後には討伐され絶好のスローライフ日和になるでしょう〜  作者: さば味リン
4章 結

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第107回「楽しいイス」

※本作は「小説家になろう」と「カクヨム」に重複投稿しています。

――何して遊ぼっか?


ヒナタの問いかけに、レインは腕を組んで考え込んでいた。

「うーん……」


隣では、アイリスもレインの様子を眺めている。

「何か思いついた?」


レインは答えず、村長の庭を見渡した。何か遊べるものはないか。庭を見回していると――。


「あっ!」

レインの目が輝いた。

レインは、庭の一角に立つ大きな木を指差した。


「これだっ!」

「……木?」


アイリスも木を見上げる。

大きな枝が、ちょうどいい高さに伸びていた。


レインは、何かを思いついたように笑う。

「ちょっと行ってくる!」


そう言うと、レインはコシヒコのところへ走っていった。


「コシヒコさん!」

「ん?」

「ちょっとお願いがあるんですけど!」

レインは、自分の考えを説明した。


話を聞いたコシヒコは、庭の大きな木へ目を向ける。

「なるほどな」


少し考えてから、頷いた。

「それなら、板と丈夫な紐があればできそうだ」

「お願いします!」

レインは嬉しそうに頭を下げた。


それから、しばらくして――。

板と丈夫な紐が用意された。


レインは、それを見て目を輝かせる。

「これで遊ぶっ!」


アイリスも、何を作るのかすぐに分かった。

「あぁ、それね!」


ナイトも大きな木を見上げる。

「懐かしいな」

「何々ー?」

ヒナタだけは、まだ何が始まるのか分かっていない。


レインたちは、大きな木の枝に丈夫な紐を結んでいく。その先に板を取り付ける。最後に、しっかり固定されていることを確認して――。


「できたー!」


庭に、新しい遊具が完成した。


ヒナタが興味津々で近づいてくる。

「なにこれっ?」


目の前にあるのは、紐で吊るされた一枚の板。


ヒナタは首を傾げた。

「イス?」


レインは胸を張る。

「そうっ! めっちゃ楽しいイス!」


アイリスが、くすっと笑った。

「ブランコっていうの」


レインも頷く。

「座って、こうやって揺らすんだよ!」


レインが実際に乗ってみせる。

板に座り、足で地面を蹴る。


ゆらり……ゆらり……。

「ほら!」


ヒナタの目が、どんどん輝いていく。

「ブランコっ!」


レインも笑顔になる。

「じゃあ、乗ってみよう!」


「うん!」

ヒナタが嬉しそうに駆け寄った。


コメライス村の庭に――。

新しい遊びが、ひとつ増えた。


◇


「ヒナタちゃん、座ってー!」


レインに促され、ヒナタはブランコの前に立った。


目の前にあるのは、紐で吊るされた一枚の板。

ヒナタは少しだけ不安そうな顔をしている。


「大丈夫なの?」

「大丈夫!」

レインは自信満々に頷いた。


そして、すぐに付け加える。

「でも、しっかり掴まってないと危ないっ!」


「えぇー!」

ヒナタは驚きながらも、両手で紐をぎゅっと握った。


その様子を、ナイトが女神のカメラで撮影している。魔法通信の向こうからも、さっそくコメントが流れ始めた。

『ブランコか!』

『最近みないなっ!』

『初めてブランコ!』

『ヒナタちゃん、楽しめるかな?』


ヒナタが恐る恐るブランコへ腰を下ろす。

レインは、その様子を確認すると笑顔になった。


「じゃあ、いくよー!」

「うん!」


レインがブランコの後ろへ回る。

そして――。


ゆっくりとヒナタの身体を押した。

「そーれっ!」


ふわっ――。

ブランコが、ゆっくりと動き始める。


「わー!」

ヒナタの声が響いた。


最初は小さかった揺れが、少しずつ大きくなっていく。


前へ……後ろへ……。

そして、また前へ……。


「すごいっ!」

ヒナタの顔から、不安が消えていた。


レインは笑顔で尋ねる。

「どう?」

「楽しい!」


その答えに、アイリスも嬉しそうに笑った。

「ヒナタちゃん、上手!」


「はっはー!」

レインも満足そうに笑う。


「楽しいー! あはーっ!」

ヒナタも声を上げる。


ブランコが揺れるたび、ヒナタの笑い声が庭いっぱいに響いていく。

何度も……何度も……。

ヒナタはブランコを楽しんだ。


その様子を、少し離れたところから村の人たちも眺めていた。

コシオが笑う。

「楽しそうだなぁ」

「ええ」

コマチも嬉しそうに頷く。


コシヒコは、揺れるブランコを見ながら感心したように呟いた。

「こんな遊びがあるんだなぁ」


ナイトは、そんな光景を静かにカメラへ収めていた。魔法通信の向こうでも、穏やかなコメントが流れている。


『いいなぁ』

『こういう配信好き』

『平和だ……』

『ヒナタちゃん、めちゃくちゃ楽しそう』

『ずっと見ていられる』


青田を渡ってきた風が、村長の庭を吹き抜ける。

青々とした稲とブランコが揺れる……。


そして――。

「わーい!」


ヒナタの楽しそうな笑い声が、コメライス村の庭に響き続けていた。

読んでくれてありがとうございます!

この作品は不定期で投稿してます。


※本作の作中に挿入されている画像は、AI生成によるイメージイラストです。

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