第100回「またすぐ来るね」
※本作は「小説家になろう」と「カクヨム」に重複投稿しています。
コメライス村――。
暴食の魔王との戦いを終え、村には再び穏やかな時間が戻っていた。
レインは、青空の下に広がる田んぼを眺めていた。植えられたばかりの稲が風に揺れている。
「ここで田んぼが壊れたら、今後の企画が終わってたよ」
「気にするの、そこ?」
アイリスが呆れたように言う。
ナイトは女神のカメラを肩に担ぎながら、苦笑した。
「まぁ、レインらしいな」
「だって、稲が実ったところも配信したいじゃん!」
レインが田んぼを指差す。
「それは確かに」
アイリスも田んぼへ目を向けた。
ナイトも頷く。
「楽しみにしてる人も多そうだな」
その時だった――。
「レイン姉ちゃん!」
元気な声が聞こえてきた。
振り向くと、ヒナタがこちらへ駆けてくる。
「ん?」
レインが笑顔になる。
ヒナタはレインの前まで来ると、元気よく頭を下げた。
「ありがとう!」
「うん!」
レインも嬉しそうに笑う。
そして、レインは胸を張る。
「頑張りましたー!」
ヒナタも嬉しそうに笑った。
そして――。
何かを思い出したように、足元に置いてあった柔らかい棒を手に取る。
「今後はヒナタもやってあげる!」
「えっ?」
レインが目を丸くする。
ヒナタは棒を構えた。
「かみなりいっせーん!」
パコッ!
「うわぁー!」
レインが大げさに吹っ飛んだ。
「えへへ!」
ヒナタは楽しそうに笑う。
「頼もしいなぁ!」
レインも笑いながら起き上がる。
アイリスは微笑んだ。
「将来有望ね」
ナイトもカメラを向ける。
「次の魔王予報士か?」
「それは早いよ!」
レインが即座に突っ込む。
皆が笑った。
そんな穏やかな時間も――。
やがて、終わりが近づいてきた。
レインたちが帰る時間である。
レインは村人たちを振り返る。
「では!」
そして、笑顔で手を振った。
「また稲が実る頃、配信に伺いますねっ!」
コシヒコが頷く。
「ああ、待ってる」
コシオも笑った。
「わりとすぐだよ」
コマチも続ける。
「稲の成長は早いですから」
「そっか!」
レインは嬉しそうに頷いた。
「またすぐ来れるねっ!」
「楽しみね」
アイリスも笑う。
「ハッハッハ!」
コシヒコが豪快に笑った。
コメライス村の田んぼには――。
まだ小さな稲が、きれいに並んでいる。
今はまだ、青々とした小さな苗。
その稲が大きく育ち、黄金色に実った頃――。
また、この村で新しい配信が始まる。
レインは大きく手を振った。
「じゃあ、またねー!」
「またねー!」
ヒナタも手を振る。
「クワッ!」
マカモも元気よく鳴いた。
コメライス村に――。
明るい声が響いた。
読んでくれてありがとうございます!
この作品は不定期で投稿してます。
※本作の作中に挿入されている画像は、AI生成によるイメージイラストです。




