第99回「帰ってきた村人」
※本作は「小説家になろう」と「カクヨム」に重複投稿しています。
紅貝の魔王が消滅した翌日。
コメライス村には――。
避難していた村人たちが、戻ってきた。
「戻ってきたぞ!」
「村は大丈夫か?」
村人たちは、村の景色を確かめながら次々と足を進めていく。
そして――。
最初に向かったのは、やはり田んぼだった。
「田んぼは……!」
植えたばかりの稲。紅貝の魔王によって荒らされた場所も、多少は残っている。
それでも――。
田んぼはちゃんと無事だった。
稲も、しっかりと植えられている。
「良かったー!」
レインが嬉しそうに声を上げた。
アイリスも田んぼを見渡す。
「本当に良かったわね!」
レインは、田んぼの中を泳ぐマカモへ目を向けた。
「マカモさまさまー!」
「クワッ!」
マカモは、元気よく鳴いた。
アイリスも笑顔になる。
「クリムゾンシェルを食べてくれたおかげね」
「ああ」
コシヒコは頷いた。
そして――。
ゆっくりと田んぼを見渡す。
そこには、植えられたばかりの稲。
その間を泳ぐマカモ。
そして、戻ってきた村人たち。
コシヒコは、その光景をしばらく眺めていた。
やがて、レインたちへ向き直る。
「本当にありがとう」
レインは笑顔で首を振った。
「こちらこそ!」
胸を張って言う。
「コメライス村を守れて良かったです!」
コシヒコは、少しだけ目を細めた。
「君たちが来てくれなかったら、どうなっていたか分からない」
アイリスが優しく笑う。
「いえいえ……コシヒコさんがクリムゾンシェルのことを知っていたからですよ」
ナイトも頷いた。
「それに、マカモもな」
「クワッ!」
マカモが元気よく鳴く。
その声を聞いて――。
村人たちから笑い声が起こった。
「マカモ様だな!」
「これからは、もっと大事にしないとな!」
「そうですよ! 田んぼの勇者ですから!」
レインも大きく頷く。
「ハッハッハ!」
コシヒコが豪快に笑った。
田んぼにも、いつもの穏やかな空気が戻っていた。
コメライス村に――。
再び、いつもの笑顔が戻っていた。
レインは、青空の下に広がる田んぼを眺める。
昨日まで、魔王との戦いが繰り広げられていた場所。
今はただ――。
静かに稲が並んでいる。
「……田んぼを守れて、本当に良かったですね」
レインが、ぽつりと言った。
アイリスも頷く。
「うん」
ナイトも女神のカメラを下ろした。
「これで一安心だな」
その時――。
ふわり。
風が田んぼを吹き抜けた。
植えられたばかりの稲が、風に揺れる。サラサラと、葉が擦れる音が響く。マカモたちは、その水田をゆっくりと泳いでいく。
コメライス村の一日は――。
再び、いつもの日常へ戻っていった。
読んでくれてありがとうございます!
この作品は不定期で投稿してます。
※本作の作中に挿入されている画像は、AI生成によるイメージイラストです。




