第98回「消滅!紅貝の魔王」
※本作は「小説家になろう」と「カクヨム」に重複投稿しています。
田んぼの中を――。
マカモたちが元気に泳ぎ回っていた。水田を泳ぎながら、クリムゾンシェルを次々と食べていく。
「クワッ!」――バリバリッ!
一匹……また一匹……。
クリムゾンシェルの数が、どんどん減っていく。
「グギャー!」
紅貝の魔王が、苦しそうに吠えた。
それまで膨れ上がっていた身体から、少しずつ力が抜けていく。吸収できるエネルギーが――減っている。
「……!」
その様子を見ていたレインが、神ナリの剣へ視線を落とした。剣には、これまで蓄積してきた魔力が満ちている。
レインの顔が明るくなる。
「ナイト! そろそろいけるよー!」
ナイトも状況を理解した。
「よしっ! 頼む!」
アイリスも女神の杖を構えた。
「レイン、今よ! 身体強化!」
光がレインの身体を包み込む。
全身に、力が満ちていく。
「ありがとう!」
レインは神ナリの剣を握り直した。
その間にも――。
「クワッ!」
「クワッ!」
マカモたちは、さらにクリムゾンシェルを食べていく。
バリバリッ!
バリバリッ!
田んぼから、クリムゾンシェルの姿が一匹、また一匹と消えていく。
それに合わせて――。
紅貝の魔王へ流れ込んでいたエネルギーも、急速に減少していった。
「グ……ギャ……」
紅貝の魔王の動きが鈍る。
身体を覆っていた赤みも、少しずつ薄れていく。
ついに――。
神ナリの剣に蓄えられた力が、紅貝の魔王の力を上回った……。
アイリスが叫ぶ。
「今なら……!」
ナイトも笑った。
「勝てる!」
配信コメント欄が、一気に沸き上がる。
『来たっ!』
『レインさん、頼みます!』
『神ナリ一閃!』
『今だ!』
『いけーっ!』
レインは、神ナリの剣を構える。
「行くよっ!」
一歩、踏み込む。
「魔王予報士レイン!」
地面を蹴った。――ダッ!
一気に距離を詰める。
「神ナリ一閃っ!」――ズババーッ!
神速の一閃が、紅貝の魔王を斬り裂いた。
「グギャー!」
紅貝の魔王が叫ぶ。
次の瞬間――。
その身体が、紫色の煙へと変わっていく。
紅貝の魔王の姿が、少しずつ消えていく。
そして――。
コロン……。
地面に、一つの魔石が転がった。
静寂が訪れる。
レインは魔石を見つめ――。
そして、カメラへ向かって笑った。
「紅貝の魔王! 消滅しました!」
「よっしゃあ!」
ナイトが拳を握る。
「やったー!」
アイリスも両手を上げて喜ぶ。
配信コメント欄も、一気に沸き上がった。
『やったー!』
『皆、凄い!』
『マカモ最高!』
『コシヒコさん最高!』
『田んぼバンザーイ!』
『田んぼが勝った!』
『これがチームワークだ!』
レインは、ゆっくりと田んぼを見渡した。
そこには――。
何事もなかったかのように、元気に泳ぐマカモたち。そして、その向こうにはコメライス村の田んぼが広がっている。
レインは笑った。
「みんなのおかげです!」
「クワッ!」
マカモが元気よく鳴いた。
その声に、レインたちも笑う。
一人では、決して届かなかった勝利だった。
コメライス村の田んぼに――。
勝利の声が響いた。
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※本作の作中に挿入されている画像は、AI生成によるイメージイラストです。




