武器、王都、行列。
突然の襲来に驚いたが、小休止を挟んで荷物の整理と昼食を取る事にした。
村を出てから牧草地域の様な景色が続き、時折吹く風が汗ばんだ身体を心地よく撫でていく。荷物の整理を終え、昼食を簡単な物で済ませて行軍を再開する。
「……しかし此の素材どうしたらいいですかね?セラさん武器職人に伝手が有ったりしますか?」このままこんな素材を持ち歩くのは流石に怖いと思い、セラに相談する。
「……王都なら一人そのクラスの素材を扱える職人は知ってるわね。ただやってくれるかは分からないわ。売れっ子で何時も仕事抱えてるのよね。というよりお金の心配した方が良いかも。」セラの言葉に大事なことを失念していた事に気付く。
「……結構掛かりますよね……?」流石に武器をオーダーメイド出来る程、お金は残ってなかった。
「うーん。それなりに掛かると思うわよ?ただ、この間のマッドネスベアの討伐報酬が出るだろうから頭金位にはなりそうだけど……。」それでも全然足りないとセラは言う。新たな悩みに頭を抱える事になったが気持ちを切り替えて足を動かしていく。
「ともかく職人の方は紹介してあげるわ。私から伝えれば門前払いまではされないわ。」セラの気遣いが本当に有難いと思い、感謝を伝える。
「気にしなくていいわ。こんな代物、新人には荷が重すぎるもの。兎に角、王都に着いたら相談しに行きましょう。」セラの言葉に頷き、王都に着いてからの予定を詰める事にする。
「セラさんは王都に着いたら、まずは村の皆さんの安否確認ですよね?」先にセラの予定を聞いておく。
「そうね。まずは守備隊詰所に行って村の皆の確認と、顛末の報告ね。その後、冒険者ギルドへ行って講習の終了と討伐の報告ね。鍛冶屋は最後になっちゃうけどいいかしら?」悪いわねと、セラは謝りながら予定を述べた。
「セラさんもそんな事、気にしなくていいわ!仲間なんだから付き合うのは当然よ!」彼女はセラにはっきりと仲間であると告げた。そんな彼女を愛おしそうに優しくセラは笑った。
日が傾いてきた頃、予定より早く、遂に王都の城壁が見えて来た。セラによると王都は四つの区画に別れており、今見えているのは第一区画の外壁なのだそうだ。
「見えて来たわね。もう少しよ。」セラの言葉に感慨が湧く。ここまで色々な事が有ったが無事に辿り着いた事を素直に喜んだ。
「ここから見ただけでも、とても大きいわね!何か面白い物が有ると良いわね!」疲れ知らずな彼女は王都に興味津々と云った風情だった。
「城壁まで着いたら、門に並んで身分証の確認が有るからね。冒険者証を出せる様にしといてね。」セラの指示に従い、ポーチの中の冒険者証を確認する。暫くして城壁に辿り着き、中に入るのを待つ人々の列の最後尾に並ぶ。辺りは間も無く夕暮れ時、仕事終わりの冒険者や、行商人など様々な人が列を成していた。




